相次ぐ怪我も「どうにでもなる」 言い訳ゼロ、逆境を糧に…大谷翔平が示す“超一流”の思考法

5試合ぶり復帰戦後に囲み取材に対応、体に不調も「プレーできる範囲内」
【MLB】ドジャース 6ー3 レッズ(日本時間8日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手が7日(日本時間8日)、本拠地でのレッズ戦で5試合ぶりに先発復帰を果たした。左膝、右上腕二頭筋、首という複数箇所に不調を抱える中での復帰戦は3打数無安打1四球。数字だけを見れば苦戦した印象を与えるが、試合後の11分間の囲み取材で大谷から発せられたのは、苦境すら自らの糧にする圧倒的な超一流の精神だった。
満身創痍の状態で挑む打席。怪我によるスランプの懸念を問われると、大谷は言い訳を排し、力強い言葉を紡いだ。
「100%というのは、シーズンを通してなかなかある……100、200というのは、なかなかないと思うので、主には膝と腕ですけど、プレーできる範囲内なのかなとは思っています」
「そこも含めてのスキルというか、引き出しの多さも含めて、どこかがおかしいなりに、自分の工夫次第でどうにでもなるところはあると思うので。逆に言えば、そういう引き出しの多さを作るチャンスだと思って、しっかりとメカニクスを含めてやりたいなと思います」
スイング時の違和感や工夫についても「違和感も含めて。振り方次第で何とでも、まあ何とでもというか改善はできる範囲のことでもあるとは思うので。今までの自分がやってきたものと変えなければいけない部分もありますけど、そこも含めさっき言った通り引き出しの多さに繋がるのかなと思ってます」と一蹴してみせた。身体の異変をスランプの理由にするのではなく、新たな技術、引き出しを手に入れる好機と捉え直す姿勢に、17番の進化の原動力が凝縮されている。

今季中の投手復帰は事実上断念「バッティングで出られないってことが一番嫌だというのが上の判断」
今季中の投手復帰については「ほとんどの確率でそれはないと思うので。バッティングというかオフェンスの方に集中したいなと今は思っています」と明言。ライブBPなどで強度を上げて調整を試みたものの、反動が出るなど万全の投球は難しく、打者としての貢献を最優先する決断を下した。
「ポストシーズンに向けてそこで戦力になれるかっていうのはちょっと疑問でしたし、だったらバッティングの方で、無理をしてまあバッティングで出られないってことが一番、嫌だというのが上の判断だったと思うので。そこには従いたいなと思うし、そこに向けてしっかりフォーカスしたいなと思ってます」
「残念でもありますし、そこも含めて今年の1年間の反省点かなと思うので、それが来年につながってくれればいいんじゃないかなと思います」
チームは5連勝を飾り、地区優勝マジックは「8」に。見据えるのはワールドシリーズ3連覇がかかる10月のポストシーズンの舞台だ。離脱期間中もただ休んで回復に努めたわけではなく、打席での感覚を研ぎ澄ますための試行錯誤を重ねていた。
「1打席1打席『これやりたいな』とか『あれ試したいな』っていうのももちろんあります。全部が全部、今日の打席の中でも、同じように見えてるわけではないので。こなしてる打席、その範囲内でこなしてる打席が増えれば増えるほどこの対応できる可能性っていうのは広がると思うので。最終打席なんかも、その前の打席に比べれば良かったと思いますし。そうやって少しずつ、良くはしていきたいなと思ってます」
アクシデントすらも進化のための「引き出し」に変えてしまう。過酷な状況下でも前だけを見つめる32歳の言葉は、ドジャースにとっての“シーズン本番”ポストシーズンでの大爆発を予感させている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)