侍J戦で目を引いた“黄緑色の靴”「野球用は全部寄付」 スリランカ16歳が明かした現実

スリランカ代表のギハン・マドゥシャンカ【写真:神吉孝昌】
スリランカ代表のギハン・マドゥシャンカ【写真:神吉孝昌】

試合中に目に留まったスリランカ代表投手の「黄緑色のシューズ」

 台湾で行われている「第14回 BFA U18アジア野球選手権」に出場するU-18スリランカ代表は8日、U-18日本代表に0-27の4回コールドで敗れた。先発したギハン・マドゥシャンカ投手は初回に5安打、1本塁打を浴びて5失点。1死も奪えずに降板した。それでも試合後は「できなかったことがたくさんあった。次もいろいろ試しながらやっていきたいです」と笑顔で振り返った。

 スリランカではクリケットが国民的スポーツとして圧倒的な人気を誇る一方、野球の競技人口は約5000人規模。野球用品を扱う専門店もほとんどなく、選手たちは限られた環境の中で競技を続けている。

 日本戦でマドゥシャンカの足元に目をやると、黄緑色の一風変わったシューズが目に留まった。底には、野球用スパイクにある金属製の金具がない。本人に尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「試合で履いたのはクリケット用のシューズです。クリケットのシューズはすごくたくさん売っているのですけど、野球のシューズは全部寄付でいただいている。ちょっとでも壊れれば終わりなんです」

 野球用品を簡単には手に入れられないため、母国で広く流通しているクリケット用のシューズを活用する。日本代表とは異なる環境の中でも、手元にある道具を工夫しながら国際舞台に立っていた。

 16歳のマドゥシャンカが野球を始めたきっかけは、海軍の野球チームでプレーしていた兄だった。今回が自身初の国際大会。大差での敗戦となった日本戦も、前向きに受け止めている。

「勉強させてもらうことがすごくたくさんあった。自分にとってもすごく幸せなことでした。私たちはアジアの中でもまだ下のほうのレベルにいるので、この対戦をきっかけにレベルアップをしていきたい」

 クリケット用のシューズでマウンドに上がり、アジアの強豪を相手に腕を振った16歳。結果には大きな差がついた。それでも初めての国際舞台で得た経験を、母国に持ち帰ろうとしている。

【実際の様子】金属金具がない“黄緑色の靴” スリランカ代表投手が履いたクリケット用シューズ

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