韓国に敗戦も…侍Jで輝き放った“智弁×智弁” ライバル校も意外な縁、2人が深めていた関係性

韓国戦に出場した山田凛虎(左)と杉本真滉【写真:神吉孝昌】
韓国戦に出場した山田凛虎(左)と杉本真滉【写真:神吉孝昌】

智弁学園・杉本真滉と智弁和歌山・山田凜虎が国際大会で“バッテリー”

 台湾・台北で開催されている「第14回 BFA U18アジア野球選手権」、侍ジャパンU-18代表は11日、スーパーラウンド初戦の韓国戦に逆転負け。先発バッテリーを組んだのは、智弁学園の杉本真滉投手と智弁和歌山の山田凜虎捕手だった。

“智弁”の朱色を胸に刻み、同じ学校法人が運営する兄弟校であり、普段はライバル同士でもある両校だが、日の丸を背負って共に戦う2人に特別な意識や硬さは見られなかった。痛恨の敗戦となったが、杉本と山田のバッテリーは韓国打線を4回途中まで1点に抑えた。

 正捕手を務める山田は「全然意識することもなくできました。このチームで一緒になったので、アジア1位を目指すというところに向かってしっかりやっているだけです」と話す。今回の侍ジャパンでは多様な投手陣をリードしているが、2人の連携がスムーズだった背景には高校生ならではの接点があった。

「2月に(智弁学園と智弁和歌山の)合同修学旅行があって、一緒に行ったんです。だから元々面識はありました。今日の試合前も『とにかくどんどん攻めていこう』という話をしていて。いい球がきていたので、よく投げてくれたと思います」と、杉本との関係性について明かした。

 学校の枠を越え、冬の行事で親睦を深めていた2人。マウンドに上がった杉本は「日頃から話し合いもしていますし、コンビネーションに問題はなかったです。配球も山田に任せていたので、自分は余計なことを意識せず投げることができました」と語り、“相棒”への全幅の信頼を口にした。

夏敗退から決断したモデルチェンジ「8割の力感で差し込む」

 強力打線を相手に3回2/3を1失点に抑え、試合を作った杉本。4回に一発を浴びたものの、立ち上がりから内角を強気に突き、チェンジアップとキレのある直球で詰まらせる投球を見せた。

 今春の選抜大会ではエースとしてフル回転し、チームの準優勝に貢献したが、夏の奈良大会では3回戦敗退を経験。マウンドで見せた好投の背景には、悔しさを糧に取り組んだフォーム見直しの成果があった。

「夏は『パワーで押し切ろう』と思って投げていたのですが、結果が出なかった。『じゃあ変えよう』と。8割くらいの力感でバッターを差し込めるような真っすぐを投げるようにしてきました」

 力感に頼らない投球フォームへの変更が実を結び、初の国際大会に加え、慣れないドーム球場のマウンドでも「自分のペースで投げることができた」と確かな手応えを口にしていた。

 球数制限(55球)の手前となる54球で降板したため、中1日で決勝での登板も見据えることができる。12日にチャイニーズ・タイペイを下せば、再び韓国と対戦する可能性もある。リベンジを果たすには、“智弁バッテリー”が命運を握っているのは間違いない。

(神吉孝昌 / Takamasa Kanki)

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