中日がド軍ウォードを獲得できた背景 観客増で資金力UP、MLB労使問題も影響か

ドジャースのライアン・ウォード【写真:アフロ】
ドジャースのライアン・ウォード【写真:アフロ】

ドジャースがマイナー通算168発ウォードの中日移籍を発表

 ドジャースは22日(日本時間23日)、ライアン・ウォード外野手が中日へ移籍すると発表した。マイナー通算168本塁打を誇る左の大砲の獲得は、球界関係者の間でも驚きをもって受け止められている。

 6年連続Bクラスと低迷が続く中日が獲得へこぎ着けた背景には、観客動員アップに伴う資金力の向上と、メジャーリーグを揺るがす労使問題という2つの要因が存在する。

 最大の原動力となったのは、球団史上最多を更新した観客動員数だろう。今季の中日は成績こそ振るわなかったものの、本拠地のバンテリンドームナゴヤには多くのファンが詰めかけ、2005年に実数発表となって以降で最多となる253万3782人を記録した。この空前の「観客増」が球団の懐を潤し、ドジャースの有望株を引き抜くための強力な資金力へとつながったのは間違いない。

 さらに、MLB側の情勢とウォード自身の置かれた環境も中日に追い風となった。ウォードは2025年に傘下3Aオクラホマシティで本塁打と打点の2冠に輝きMVPを受賞。今季は念願のメジャー初昇格を果たし、満塁本塁打を放つなど着実なステップアップを見せていた。

 しかし、層の厚いドジャースでは定着に至らず、9月にDFA(事実上の戦力外通告)となっていた。通常であれば他球団への移籍を模索する場面だが、現在はMLBと選手会による労使協定の改定交渉が混迷を極めており、今オフに「ロックダウン(オーナー側による球団施設締め出し)」へ突入することが確実視されている。ロックダウンが発動されれば、球団の補強活動が凍結されるだけでなく、選手は長期間の実戦離れを余儀なくされる。

 長期の停滞リスクを回避し、確実にプレー機会を確保したいウォード側。そして、長打力を生かすべく、DFAのタイミングを見逃さずに素早くアプローチをかけた中日フロント。両者の思惑が一致した形だ。

 観客の後押しによる潤沢な資金と、MLBの停滞、そして俊敏な編成プレーが重なって実現した大物補強。バンテリンドームに「ホームランウイング」が新設された中日にとって、このウォード獲得が反撃への特効薬となるか注目される。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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