甲子園が「目標としては大きすぎる」 87勝右腕が投じた“一石”…危惧する球児の未来

NPB通算87勝の渡辺俊介氏が高校野球について私見を述べた
今年も夏の甲子園は多くのドラマを生み、大きな盛り上がりを見せた。その一方で地方大会などで採用されているトーナメント制については、以前から様々な意見が交わされてきた。ロッテで活躍した渡辺俊介氏は、ポッドキャスト番組「Full-Count LAB―探求のカケラ―」で、現行の大会形式について考えを語った。
渡辺氏は「言葉を選ばずに言わせていただくと」と前置きした上で「高校野球が注目度を上げすぎている」と“温度感”に言及。「プロ野球選手という目標の前に、甲子園で活躍するということが目標として大きすぎると感じています」と持論を述べた。
甲子園に出場するにはトーナメントを勝ち上がっていく必要があることから、「経験を積めずに、あるいは甲子園を目指すために大勢を集めたチームで試合に出ずに芽が摘まれてしまったケース」を危惧。「伸びたかもしれない選手が経験を積めずに早く終わってしまうってすごくもったいない」。選手個々の成長機会が限定されていると指摘する。
「今は甲子園一択という選択肢ですからね。レギュラーを外れて仲間のためにスタンドで応援する、裏方サポートに回る。これも成長の中では大切な経験だと思うんですけど、でもそれがしたくて高校野球に入るわけではないんですよね」と本質を突いた。その上で「すぐには難しいんでしょうけどリーグ戦にするとか、たくさん経験を積ませられるような仕組み作り」の必要性を説いた。実現すれば野球離れの食い止めにつながるはずだと信じている。
渡辺氏自身、甲子園に出場できなかった高校3年生が夏休みに参加できるリーグ戦形式の取り組み「LIGA Summer Camp」に特別アドバイザーとして関わっている。北海道で約1週間にわたりリーグ戦を行い、最終日はエスコンフィールドで戦えるという“大会”だ。

甲子園という頂点を尊重しながら、そこに届かなかった選手たちが経験を積める場を――。現場に立ち続けてきたNPB通算87勝の名投手の言葉には、次の世代へ新たな選択肢を残そうとする実感がこもっていた。
(Full-Count編集部)