阪神・石井大智はなぜ打たれる? OB指摘「メンタル面が心配」…気になる“藤川采配”

DeNA・宮崎に手痛い被弾…昨季53試合で被本塁打0→今季は8戦3被弾
■DeNA 2ー1 阪神(26日・横浜)
セ・リーグ首位の阪神は25日、敵地・横浜スタジアムで行われたDeNA戦に1-2で逆転負けを喫し、連勝が4で止まった。左アキレス腱断裂の重傷から今月1軍復帰を果たした石井大智投手が、1点リードの8回に登板し、痛恨の逆転2ランを浴びた。2位・巨人が広島に敗れたため、阪神の優勝マジックは5に減った(残り8試合)が、OBの1人は「少なくともレギュラーシーズン中は、石井をもう少し楽な場面で投げさせ、本来のボールを取り戻させてあげることを優先した方がいいのではないか」と提言する。
昨季とは何かが違う――1-0とリードして迎えた8回。7回119球無失点の快投を演じたエース・村上頌樹投手の後を受け、石井がマウンドに上がった。
いきなり先頭の牧秀悟内野手、続く筒香嘉智内野手に連打を浴び、無死一、二塁。ここで4番のヘラル・エンカーナシオン外野手を遊ゴロ併殺に仕留め、ピンチを脱したかに見えた。ところが、続く宮崎敏郎内野手にカウント0-1から、外角低めの149キロのストレートを左翼ポール際のスタンド中段に運ばれたのだった。結局、石井がこの回に投じた9球は全てストレートだった。
石井は昨季、53試合に登板し1勝0敗9セーブ36ホールド、防御率0.17と無双していた。しかし今年は2月の春季キャンプ中に左アキレス腱を断裂し、今季中の戦列復帰を危ぶむ声も上がった。今月5日のDeNA戦で1軍復帰を果たしたものの、今のところ8試合1勝2敗1ホールド、防御率5.63と苦しんでいる(成績は25日現在、以下同)。
昨季計53イニングで1発も許さなかった本塁打を、今季はわずか計8イニングで3発(中日のミゲル・サノー内野手、DeNA・牧、同・宮崎に各1発)も浴びているところに、不振ぶりが表れている。
持ち味のストレートの球速は平均149~150キロで、昨季も今季もほとんど変わらない。だが、そのストレートの被打率は昨季の.200から、今季.286に上がっている。

ポストシーズンに必要な戦力であることは間違いない」
「まだ“昨季並みの石井”には戻れていないと思います。投手の足の怪我は、ピッチングに大きな影響を及ぼします。痛みがなくなりました、ベースカバーなども問題なくこなせます、というだけで1軍に戻しても、うまくいかないことが多いです。石井も昨季に比べると、真っすぐで空振りを取れていません。スピードガン表示は昨季と変わらなくても、ボールのキレに影響しているのだと思います」
こう指摘するのは、現役時代に阪神、ヤクルト、日本ハム、横浜(現DeNA)の4球団で捕手として計21年間活躍した野球評論家・野口寿浩氏だ。
リーグ連覇に近づいている阪神だが、レギュラーシーズンを広島と並んでリーグ最多タイの8試合も残している。野口氏は「石井がポストシーズンに必要な戦力であることは間違いありません。だからこそ、レギュラーシーズンの残り試合は、楽な場面でしっかり腕を振り、本来のボールを取り戻すために何かきっかけをつかませる期間にした方がいいのではないでしょうか」と見ている。
「他に誰もいないならともかく、今季はクローザーに工藤(泰成投手)がいて、セットアッパーとして木下(里都投手)もブレーク。レギュラーシーズン中は8、9回をこの2人に任せ、及川(雅貴投手)、(ラファエル・)ドリス(投手)らを絡ませていけば、石井をその前段階で投げさせることができるでしょう」とも見ている。
最速163キロを誇る工藤は、今季52試合3勝0敗12ホールド11セーブ、防御率0.97で、抑えに定着しつつある。最速161キロの木下も今季41試合4勝2敗、防御率1.79。2人ともプロ2年目の若手で成長著しい。
野口氏は「石井は相当責任感が強い選手なので、このままでは考え込んでしまうのではないか。メンタル面が心配です」と付け加える。
藤川阪神がこのままレギュラーシーズンのゴールテープを切るとしても、CSを着実に勝ち上がり、昨季届かなかった日本一の座に就くには、本当の意味での石井の“復帰”が欠かせない。