DeNA島田舜也、“並の新人”との決定的な違い 入来コーチが「全く心配していません」と語るワケ

雄叫びを上げ自らを鼓舞するDeNA・島田舜也【写真:産経新聞社】雄叫びを上げ自らを鼓舞するDeNA・島田舜也【写真:産経新聞社】

普段は“ぽやぽや”…自身の性格は「マイペースすぎるところはあります」

 185センチから剛球を投じるマウンドでの気迫あふれる姿とは違い、普段は“ぽやぽや”。DeNAの島田舜也投手は「マイペースですね。というか、マイペースすぎるところはあります」と笑う。

 東洋大からドラフト2位で入団したプロ1年目が、間もなく終わろうとしている。故障で出遅れたが4月29日にプロ初登板。そこから“投げ抹消”を経た5月13日の中日戦(横浜)で6回無失点と好投し、プロ初勝利をマークした。

 5月下旬までで4試合に登板して1勝1敗、防御率5.03。しかし5月30日に出場選手登録を外れ、2か月弱にも及ぶリハビリ生活を送った。「肉離れという怪我の内容も初めてだったので、ショックはショックでした。1か月ローテーションで回れていましたし……」。これから、という矢先に起きた怪我が、もどかしかった。

「怪我を治しても時期的に上(1軍)で数試合しか投げられない状況だったので、来年に向けて練習するか、治して1試合でも多く投げるかの2つの考えが出て、結局頑張って数試合でもできるだけ投げるという考えに至りました。フォームを直して、もちろん心配な部分もありますけど両立してできたら一番いいなと思って、そこはやるからには頑張るしかないと取り組みました」

5月下旬までで4試合に登板していた島田【写真:産経新聞社】5月下旬までで4試合に登板していた島田【写真:産経新聞社】

入来コーチ「チーム全体として若手が刺激を与え合って、非常にいい形」

 自分の体と向き合い、一から体作りに励んだ。また投球フォームを見直したことで、制球も安定。7月23日に2軍で実戦復帰してから徐々に状態を上げ「順調といえば順調です」と言えるところまできた。入来祐作2軍チーフ投手戦術・育成コーチも「今の状態で言うと、いつ1軍に呼ばれてもいいような状況ではあります。状態は万全。ここから先は総動員ですし、球が強いのですぐに使うのであればリリーフでもいけるかなと個人的には思っています」と太鼓判を押す。

 さらに入来コーチが称えたのは、ファームで見せていた“姿勢”だった。

「野球に取り組む姿が非常に丁寧で、頭がいいですね。考える力がしっかりある。そういった意味では、着実に階段を上っているとは思いますよ。怪我はしましたけど、1年目にしては十分やってくれていると思います」

 プロではまだ1年生。多くの“新しいもの”に目を奪われ、周囲に影響を受けたり自分を見失いそうになったりする選手は少なくない。しかし島田は、自らと向き合い、やるべきことに突き進んでいた。その様子に「周りに惑わされないというか、ブレない。丁寧な、冷静な子ですよ。非常に見応えがあります。だから僕は、そういった部分では全く心配していません」と言い切った。

 さらに木更津総合高の1学年先輩で、法政大から2024年ドラフト2位でDeNAに入団し、今季5勝を挙げるなど飛躍した篠木健太郎投手や、同じ2003年生まれで高校時代に同じ千葉県でしのぎを削った深沢鳳介投手らの名前を挙げ「彼らにとってもいい刺激になって、チーム全体として若手が刺激を与え合って、非常にいい形じゃないかなと思っています」とうなずいた。

島田は同期が1軍で活躍する姿にも「別に意識したことはない」という【写真:町田利衣】島田は同期が1軍で活躍する姿にも「別に意識したことはない」という【写真:町田利衣】

ベイ党一家で育ち「最初は本当に『テレビで見ていた人たちだ』って」

 島田といえば、“地元”の神奈川県横浜市出身。幼少期から横浜スタジアムに足繁く通うベイスターズファンとして育ち、家族はDeNAのファンクラブに入るなど一家で“ベイ党”であることは有名だ。

 今や憧れだったユニホームに袖を通して、チームの勝利のために腕を振る。しかし1軍の試合をテレビで見ているときの感情は今も「それはもう、ファンと一緒です」という。「変化はないです。名前を呼ぶときに『さん』を付けるときくらいです。たまに忘れちゃうんですけどね(笑)」。

 フェンス越しに見ていた存在が、自身の後ろで守ってくれる。「最初は本当に『テレビで見ていた人たちだ』って感じでした。もう同じチームでやっているのである意味、見慣れちゃった部分はありますけど、今もファンといえばファンですね」と幸せそうに話した。

 同世代やドラフト同期が1軍で活躍する姿にも「別に意識したことはないです。自分も早く頑張らないとな、とは思いますけど、その人はその人で自分は自分という考えなのでライバル心はあまりないです」と“我が道”を貫く。

「1軍で投げられればそれが一番いいですけど、それはチーム状況にもよるので自分が決められることではない。自分は与えられた場所でしっかり結果を残し続けることしかできないので、それを頑張るしかないのかなと思います。今できることを最大限やれば、勝手に来年に繋がる。そういう考えでやっています」。背番号15は、まだまだ底知れぬポテンシャルを秘めている。

(町田利衣 / Rie Machida)

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