鷹・柳田悠岐、完全復活に繋がった打撃スタイルの変化 圧倒的な生産性…衝撃の3か月連続.900超

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:球団提供】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:球団提供】

5年ぶり打率3割狙うソフトバンク柳田悠岐、通算OPS.934誇る稀代の打者

 ソフトバンクの柳田悠岐外野手がリーグ3位の打率.303を記録し、復活を強く印象付けている。直近2年間は故障の影響で出場機会を減らしていたものの、今季は5年ぶりの打率3割を射程圏内に捉える充実のシーズンを送る。(成績は27日試合終了時点)

 2014年から2018年まで5年連続で打率3割以上を記録し、38試合の出場にとどまった2019年を挟み、2020年と2021年にも3割をクリアした。首位打者とパ・リーグMVPをそれぞれ2度受賞、2015年から4年連続で最高出塁率のタイトルを手にし、2015年にはトリプルスリーを達成するなど、三拍子揃った名外野手として一時代を築いてきた。

 2023年にも全試合に出場して打率.299、22本塁打、OPS.861と好成績を残したが、2024年は52試合、2025年は20試合と直近2年間は故障により出場機会が減少した。復活を期した今季は主力打者として後半戦の打線をけん引し、リーグ優勝の立役者の一人となった。

 通算成績でも打率.311、286本塁打、967打点と打撃主要三部門で優秀な成績を残す。さらに通算出塁率.404、長打率.530、OPS.934と卓越した数字を記録。とりわけ、2015年から2021年まで7年連続でOPS.900以上(規定打席未到達の2019年含む)をマークし、うち4度は1.000を超えた。2022年以降もOPS.800以上を維持しており、長年にわたり高い生産性を保ち続けている。

選球眼の数値低下に見る打撃スタイルの変化

「真の長打率」を示す「ISO」もキャリア通算.219と優秀だ。シーズン20本塁打以上を7度、30本塁打以上を3度記録した強打者としての側面はデータにもはっきりと表れている。

 打者の選球眼を表す「IsoD」もキャリア通算.093と非常に優れている。選球眼に関連する「BB/K」も2016年と2019年に1.000以上をマークし、2024年にも.972を記録するなど傑出したシーズンも存在した。

 しかし直近2年間のIsoDは.045~.046、BB/Kは2年続けて.300台と選球眼に関する数字が低下傾向にある。近年は従来よりも積極的な打撃スタイルへシフトしており、今季はそれが好結果に繋がっているとうかがえる。

 特徴的な指標のひとつが、本塁打を除くインプレー打球が安打になった割合を示す「BABIP」の高さである。BABIPの基準値は.300とされるが、俊足の左打者や打球速度の速い選手は高い数字を記録しやすい傾向にある。柳田の通算BABIPは.359と基準値を大きく上回り、ハイアベレージを記録する要因となっている。今季のBABIPも.338と高い水準を保っており、積極性を高めたスタイルが本来の特性と噛み合っている。

7月以降月間OPS.900超を連発

 今季は開幕直後の3月に4試合で打率.353と好調だったが、4月は月間打率.247、5月が.238、6月は.224と中盤までは苦戦。6月終了時点のシーズン打率は.247にとどまっていた。しかし7月に月間打率.323と復調すると、8月は.398、9月は.338と高打率を記録し続けた。約3か月でシーズン打率が.060近く上昇しているという点にも後半戦の活躍ぶりが如実に表れている。

 一方、7月と9月に選んだ四球はそれぞれ2つのみ。8月も88打数で5四球と決して多くない。後半戦に入り、積極性の高さが結果に直結している。

 月間OPSも4月.669、5月.785、6月.590から、7月.902、8月.982、9月.969と劇的に向上。後半戦の打撃内容は全盛期に匹敵するレベルに達している。

 今季ここまで136安打を積み上げ、通算2000安打まで残り248本となった。故障に苦しんだ過去2年を経て見せた今季後半の復調を来季以降につなげれば、大記録への到達も十分に射程圏内に入る。ホークス一筋16年目の戦いを最高の形で締めくくりつつある名外野手の、今後の打席で見せるさらなる活躍から目が離せない。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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