侍J入りなるか、西武・滝澤夏央が明かした思い 常連だった源田壮亮の“見解”…自身も苦しんだ初陣

侍ジャパン入りが期待される西武・滝澤夏央【写真:黒澤崇】侍ジャパン入りが期待される西武・滝澤夏央【写真:黒澤崇】

「アジアチャンピオンシップ」出場資格は24歳以下あるいは入団3年目まで

 侍ジャパン・井口資仁監督の初陣として注目される、11月の「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」。出場資格が24歳以下、または入団3年目まで(他にオーバーエイジ枠で29歳以下を3人まで登録可能)とあって、正遊撃手として“侍デビュー”を期待されているのが、身長164センチの小兵ながら抜群の身体能力を発揮している西武・滝澤夏央内野手だ。本人、そして侍常連のチームメート・源田壮亮内野手は、どう考えているのだろうか。

 2021年育成ドラフト2位入団から這い上がり、8月に23歳となった滝澤は今季、選手としての格をまたワンランク上げた印象だ。昨季の.234が過去最高だったシーズン打率が、一時は首位打者争いに絡むほど上昇。夏場以降少し調子を落としたものの、リーグ9位の.278(29日現在)をマークしている。

 驚異的な守備範囲を誇るディフェンスにも、磨きがかかっている。遊撃手として62試合にスタメン出場しており、同ポジションでゴールデン・グラブ賞7度を誇る源田を差し置いて先発するケースも増えた。他に二塁手として47試合、三塁手としても1試合先発している。

 滝澤に侍ジャパン入りへの思いを聞いたのは9月28日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦終了後だった。ひょっとすると、タイミングがよくなかったかもしれない。

 この試合の2回の守り。1死一、二塁のピンチで、一ゴロを捕球したタイラー・ネビン内野手は併殺を狙って二塁へ送球。遊撃の滝澤が捕って、一塁のベースカバーに入った山田陽翔投手へ送球したが、これが悪送球のタイムリーエラーとなった。滝澤は「ゲッツーを狙って勝負にいきました。暴投になったのは、僕の送球技術の無さ、詰めの甘さだと思います」と痛恨の表情で振り返った。

 このプレーをベンチから見ていた源田は、「(打者走者の一塁到達のタイミングも微妙だったので)送球しないという選択肢もあったと思います。それはベンチに戻ってきた夏央と話しました」と明かし、「難しいっすよ、あの送球は。投手のベースカバーが間に合っていたかどうかを含めて、映像をちゃんと見返さないと、一概に送球が悪かったとも言えない」と評した。

守備の名手に成長した【写真:加治屋友輝】守備の名手に成長した【写真:加治屋友輝】

源田のように「日本を背負って戦える選手になりたい」

 そんな滝澤に“侍”入りへの思いを聞くと、「過去に日本代表に入ったことは無いです。いずれはゲンさん(源田)みたいに、日本を背負って戦えるような選手になりたいという気持ちはもちろんあります」と力を込めた後、ややトーンを落として、こう続けた。

「ゲンさんを近くで見ていると、僕のレベルの低さ、精度の低さを凄く感じます。このレベルで日本代表としてプレーするのはまだ早いのかな、まだまだそんなレベルじゃないかなと思います」

 侍常連の源田はどう見ているのだろうか。滝澤の守備を「夏央は足が動くからいいんじゃないですかね」と短い言葉で評する源田は、「24歳以下となれば、確かに可能性は高いと思います。でも、侍ジャパンは監督の色が出ると思うので、誰が選ばれるか、わからないですよ。(井口)監督と(田口壮)ヘッドコーチがメジャーリーグでプレーされているので、もしかすると“ゴリゴリ系”の選手を集めて打撃に振り切るようなことも、ありうる話ではないでしょうか」と話した。

 今年3月のWBC第6回大会で源田をレギュラー遊撃手として重用した侍ジャパンの井端弘和前監督は、自身も現役時代に同じ遊撃手としてゴールデン・グラブ賞を7度受賞した名手だった。源田は当時「井端監督がショート出身の方なので、ショートで選んでいただくというのはすごく光栄。その反面、求めているプレーのレベルも高いと思います」と語っていた。名手は名手を知るということか。そして、現在の侍ジャパンの首脳陣がパワーを重視するなら、遊撃手では滝澤より、オリックス・紅林弘太郎内野手らの方が評価されるのかもしれない。

今年のWBCに出場した源田壮亮【写真:小林靖】今年のWBCに出場した源田壮亮【写真:小林靖】

源田も最初は「二度と出たくない」と感じた侍Jの国際試合

 侍ジャパンの源田といえば、2023年のWBC第5回大会で、右手小指を骨折しながらレギュラー遊撃手として出場を続け、優勝に貢献した姿がいまだ記憶に鮮明だ。

 そんな源田の“侍デビュー”もまた、プロ1年目の2017年の秋に行われた「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」だった。「WBCなどとは全然違って、みんな若かったですし、日本を背負っている感じはなく、楽しくやっていました。懐かしいな……」と目を細める。

 一方で「僕自身はノーヒットに終わったので、(国際試合には)二度と出たくないと思いました」とも。源田は同大会で、開幕前の日本ハム、西武との練習試合と、本番3試合の計5試合に出場し、12打数無安打(3四球1犠打)だった。「二度と出たくない」と感じた国際大会だったが、その後も2019年と2024年のプレミア12、2021年の東京五輪、2023年と2026年のWBCに次々と出場し、人一倍存在感を発揮してきた。

 何よりも、日本を代表する遊撃手2人が並び立つ西武というチームの現状に、改めて感動を覚える。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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