村上宗隆はなぜ“過小評価”されたのか 専門家が分析…米スカウトを惑わした「決めつけ」

Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】
Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】

レギュラーシーズンで35本塁打、地区シリーズ第1戦でも決勝弾

 ホワイトソックスの村上宗隆内野手は10日(日本時間11日)、2勝2敗でガーディアンズとの地区シリーズ“最終決戦”の第5戦を迎える。村上はポストシーズンでも、地区シリーズ第1戦に決勝2ランを放つなど活躍。レギュラーシーズンで、リーグ5位の35本塁打を量産し、昨季まで3年連続100敗以上を喫していたチームが大躍進を遂げる原動力となった。一部でささやかれていた“不安説”も払拭していた。

 昨季オフ、村上がホワイトソックスと結んだ2年総額3400万ドル(約53億9000万円)の契約は、NPB史上最年少の3冠王に輝いた、日本を代表するスラッガーとしては、少々低すぎる評価にも思えた。一方で、高い三振率(三振数/打席数)を指摘され、「メジャーの投手のスピードについていけないのではないか」との声も聞かれた。

 これに対し、現役時代にヤクルト、日本ハムなどNPB4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「僕はレギュラーシーズン開幕前から、これくらいは打つと思っていましたよ」と断言。当初の評価が高くなかった事情を、こう分析した。

「日本では、相手のバッテリーが頭を使い、裏をかきながら、いろいろな球種を使った挙句、最後にコーナーぎりぎりにストレートを投げられて手が出なかったり、空振りさせられたりして、三振に倒れるシーンはありました。経過をよく見ず、最後しか見ていなかったスカウトなどが『村上は速いストレートを打てない』と決めつけてしまったのではないでしょうか」

日本とは違ったバッテリーの攻め方「力勝負の傾向が強い」

 メジャーリーグでは、村上への攻め方が、日本とは異なると野口氏は分析する。「日本と比べると、力勝負をしてくる傾向が強いですし、配球よりも、ツーシーム、カットボールなど、ボールをどう動かすかを考えているように見えます」と指摘。「村上は頭の中をメジャー仕様に変換するだけでよかった。元々パワーと技術においては間違いがなく、速いボールを打てないわけではないので、絶対活躍するだろうと思っていました」と続けた。

 ホワイトソックスがポストシーズンを勝ち抜いていけば、大谷翔平投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手らを擁するドジャースとワールドシリーズで対決する可能性もある。

「ドジャースとの対戦もいいですが、ブルワーズの(最速169.8キロを誇るエースのジェイコブ・)ミジオロウスキー(投手)との対決も見てみたいじゃないですか。いずれにせよ、ぜひワールドシリーズの大舞台を経験してほしいと思います」と、野口氏はヤクルトの先輩としてエールを送った。

 レギュラーシーズンの怪我による離脱がなければ、ア・リーグの本塁打王争いに絡めていたかもしれない。それだけに、村上の今季ポストシーズンの締めくくりと来季の飛躍には、楽しみしかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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