大谷翔平、異例の“急接近打撃”の理由 実は師匠の教え…ド軍コーチが明かす怪物対策

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

屋外フリーで71スイング中6本の柵越え、140メートル弾も

 ドジャースの大谷翔平投手は10日(日本時間11日)、敵地で行われるブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)を翌日に控えた公式練習でフリー打撃を行った。屋外フリーで71スイング中6本の柵越えを放ったほか、打撃マシンをわずか約7メートルという超至近距離に置いてバットを振る異例の調整を実施。11日(同12日)の第1戦で対峙する最速105.5マイル(約169.8キロ)の怪物右腕、ジェイコブ・ミジオロウスキーへの対策に余念がない。アーロン・ベイツ打撃コーチがその意図と狙いを明かした。

 今回の屋外でのマシン練習は「大谷から『グラウンドで打ちたい』と要望があった」とベイツ・コーチが明かすように、大谷本人の発案によるもの。「ここ数日、彼とムーキー(ベッツ)は熱心に打撃について話し合っており、その中で出てきたアイデアだ。新しい球場の背景や景色に慣れる意味でも、全員が素晴らしい仕事をしてくれた」と熱意を称賛した。

 特に注目を集めたのが、マシンの至近距離から打ち込まれるボールへの対応だ。第1戦で対戦するミジオロウスキーは剛速球を武器にするだけに、体感速度で95マイル(約153キロ)を遥かに超える高速球への対策としても絶好の練習となる。ベイツ打撃コーチは「目的は目の動きと脳の回転速度を速めることだ。距離が詰まることで試合以上のスピード感になる」と説明。さらに「2021年にドジャースにいたアルバート・プホルスから教わったドリルで、トップへの移行を素早くし、テンポを整える効果がある」とレジェンド直伝の調整法であることを明かした。

 フリー打撃では71スイングで6本の柵越えにとどまった。それでもフルスイングは少なく、“目慣らし”を重要視していたのだろう。フルスイングを見せた3セット目では、右翼席最上段に打ち込む推定140メートル弾もあった。

 テーマとして掲げられたのが「力みのコントロール」と「フィニッシュの意識」だ。ベイツ打撃コーチは「バットのヘッドを早く返しすぎず、手元が早く回転してしまうのを防ぐことが重要。フィニッシュの形をしっかり維持することで力みが抜け、ボールを長く引きつけて捉えられるようになる」と分析する。

 ブレーブスとの地区シリーズではボール球に手を出す場面が散見された。「力みが取れれば、ボールをより深く、長く見極められる。スイング時に『80%の力で』と言われても感覚をつかむのは難しいが、フィニッシュを維持することが出力のコントロールに役立つ」と力説。「メカニクス(動作)自体は非常に良い状態にある。本人が求めたい感覚を得るための良いプロセスを踏んでいる」と手応えを語った。

 打撃練習終了後には、NHK解説のために訪れていた侍ジャパンの田口壮ヘッドコーチ兼打撃コーチに「おっす!」と挨拶。にこやかな笑顔を見せるなど練習が終わればリラックスモードだった。地区シリーズでは13打数2安打の打率.142。浮上の光を見出せるか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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