阪神右腕は「カモにされている」 専門家が挙げた“キーマン”…DeNA、突破の鍵握る3日間

DeNA・相川亮二監督【写真:井上学】
DeNA・相川亮二監督【写真:井上学】

37歳・宮崎、今季の阪神戦は打率.328と好相性

 DeNA下剋上のポイントの1つは、37歳のベテランが握っている。セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は、甲子園で14日にファイナルステージが開幕する。今季の対戦成績は阪神の13勝12敗とほぼ互角。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で通算21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が注目するのは、DeNA・宮崎敏郎内野手の打撃だ。

 ファイナルSは1勝のアドバンテージがある上、投打のタイトルホルダーが並ぶ阪神が有利との見方が多いが、DeNAも勢いがあり、予断を許さない。「宮崎はファーストステージの第2戦は出ませんでしたけど、第1戦はいいスタートを切っています。彼の場合は本当にいつも通り、普通の試合と同じ感じで打ってくるでしょう」。

 プロ14年目の37歳・宮崎は、巨人とのファーストS第1戦(東京ドーム)に「5番・三塁」で先発出場。チームで唯一のマルチ安打となる2安打を放った。第2戦は佐野恵太外野手が起用されたこともあって出番がなかったが、ベテランを含めた選手起用はシーズン中と変わらない。

 今季は111試合に出場して打率.254と、宮崎にとっては低調な数字に終わったが、9月25日の阪神戦(横浜)で8回に逆転2ランを放つなど、大事な場面で勝負強い打撃を披露している。特に今季の阪神戦は打率.328と結果を残しており、シーズン11本塁打中4本を阪神戦で放っている。ファイナルS第1戦では、阪神は村上頌樹投手の先発が有力。宮崎は今季、村上に対しても1本塁打を含む13打数4安打の打率.308をマークしている。

 一方の村上は今季、DeNA戦に5試合先発して防御率1.85ながら1勝3敗。野口氏は「村上はベイスターズ戦であまり良くない投球が続いています。宮崎にカモにされている感覚があります」と説明する。村上攻略の鍵について「ベイスターズとしては初戦、いかに宮崎に仕事をさせることができるかでしょう」と推察した。

DeNAはエース東の中5日投入も可能な状況

 DeNAは初戦を取れば、阪神のアドバンテージを含めた勝敗をタイに持ち込み、日本シリーズ進出の可能性が見えてくる。だが野口氏は「ベイスターズは初戦を勝ったとしても、その後も大変です」と指摘する。第2戦以降の先発には最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した高橋遥人投手、3年連続2桁勝利の才木浩人投手が控えている。

「阪神の三本柱は強力です。手ぐすねを引いて万全の状態で待っていますし、その状況で打ち崩すのは相当厳しい。下手をすれば3試合とも負けて終わってしまう可能性もあります。ベイスターズとしては最初の3日間は絶対にロースコアの展開に持ち込まないといけません」

 ファーストSを連勝で突破した分、先発も中継ぎも負担が最小限にとどめられた部分もある。ファーストS第1戦で7回1失点と踏ん張ったエースの東克樹投手について「粘って粘って、チームにいい流れを作りました」と称賛。「どうするか分かりませんけど、中5日で(ファイナルS第3戦に)投げることも可能と言えば可能です」と続けた。

「ベイスターズとしては初戦を取って、さらに3戦目までにもう1つ勝てれば、(CS突破の)勝機も見えてきます」

 阪神は3冠王の佐藤輝明内野手ら打線も強力で、条件は楽ではない。だが、DeNAは実際に2024年はレギュラーシーズン3位から日本シリーズに進出して、26年ぶりの日本一を成し遂げた。今年も勢いは十分。頼れるベテランの調子も上々。投打とも充実する中、2年前の下剋上再現に挑む。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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