160キロ左腕、西武・羽田慎之介の“現在地” 高卒同期2人から受ける刺激…黒田将矢とのやり取りに見えた関係性

西武・羽田慎之介【写真:加治屋友輝】西武・羽田慎之介【写真:加治屋友輝】

1軍でも2軍でも結果を残せず「まあ、悔しいシーズンでした」

 西武が誇る剛腕、羽田慎之介投手は2026年を「悔しいシーズンでした」と振り返った。1軍でも2軍でも結果を残すことができず、現在は宮崎で「フェニックス・リーグ」に参加している。22歳が今季を振り返り、入団当初から注目された黒田将矢投手、菅井信也投手との高卒同期トリオへの思いを語った。

「一緒に歩きながら話しましょう」

 投手陣の練習グラウンドから南郷スタジアムまでの道のりで、羽田はゆっくりと歩を進めながら「まあ、悔しいシーズンでした。いい結果が出なかった年だと思います」と振り返る。すぐ後ろには黒田と、同学年で昨年ドラフト4位の堀越啓太投手(東北福祉大)も静かに耳を傾けていた。

 羽田は球団が本拠地を置く埼玉・所沢市出身で、小学6年時には埼玉西武ライオンズジュニアチームにも選出された。八王子学園八王子高から2021年ドラフト4位で西武に入団。身長191センチの恵まれた体格を武器に、昨年7月には日本人左腕の1軍公式戦最速記録となる160キロも計測した。

 チームとしてもいよいよ1軍の戦力として期待が高まる5年目の今季、1軍では春先に8試合に救援登板し1勝1敗1ホールド。8回1/3を投げて10三振を奪うも、与四死球12で防御率は7.56に及んだ。ファームでも9登板(1先発)で勝ち星なしの2敗1セーブ、防御率9.90。計10イニングで与えた四死球は15だった。

「コントロールですかね。(オフのテーマは)全体的だったら、変化球のストライク率を上げて、そこからどんどん派生してやっていく感じですかね。まあシーズン通して球速は高めていく動きはずっとやっているので。野球がうまくなるって感じですかね」

“フェニックス・リーグに参加し、汗を流す羽田【写真:湯浅大】”フェニックス・リーグに参加し、汗を流す羽田【写真:湯浅大】

羽田と取材に“同行”していた黒田が語った「同期トリオ」

 そして球速について。本人は魅力ある剛速球をどのように考えているのか。

「まあ、コントロールに一番こだわりがあるんですけど」と前置きした上で、「でもスピードって、コントロールが多少悪くても補ってくれるので。少しコントロールが悪くなっても抑えられる、みたいな。(制球よりは)少し難易度は下がるので、球速アップは常に目指しているって感じです」。具体的な目標数値は「そこまでないですね。どんどん速くしていくって感じです」と見据えている。

 羽田が指名された2021年ドラフトの5位が黒田(八戸工大第一高)、育成3位が菅井信也投手(山本学園高、2024年6月に支配下登録)で、「高卒トリオ」として注目された。5年目を終えようとしている今、3人はお互いをどう感じているのだろうか。羽田とともに歩いていた黒田にも同時に聞いた。見えたのは揺るぎのない絆だった。

「まあ友達ですね(笑)。本当に友達って感じです、はい。ライバルとか、そうやって意識する時期も1、2年はあったかもしれないですけど、割とそういうのも乗り越えて、すごい人生にとって大事な仲間って感じです」

 羽田が熱く語れば、黒田も呼応する。「まあそうですね、もうライバルっていう時期は……」と話し始めた瞬間、羽田が「俺と同じこと言ってる!」とツッコミを入れて笑う。

 気を取り直した黒田は「意識する時間ももちろんありましたけど、2人とは一緒にいる時間が5年も経つので、やっぱり5年もいたらもう、何ですかね、お互いにわかるというか、全員が。心境とかも、ちょっとうまくいっていない時とかもわかります。そういう時は相談もするようになりましたし、本当に親友だと思います」と表現した。

“フェニックス・リーグに参加し、走り込みを行う黒田将矢(左)と羽田【写真:湯浅大】”フェニックス・リーグに参加し、走り込みを行う黒田将矢(左)と羽田【写真:湯浅大】

チームに増えた2003年生まれ世代…「近いうちに引っ張っていくべき」

 黒田はさらに、一緒に足を止めて聞いていた大卒入団で同学年の堀越や岩城颯空(はくあ)投手の名前を挙げ「同級生もめっちゃ増えたんで」とうなずく。羽田も「仲間って言えるようなね、人になりたいですね」と続けた。

「僕らが来年とか再来年とか、近いうちに引っ張っていくべきだと思うので。そこはそういう話も普段しているので」

 黒田が締めくくろうとしたところで、羽田が「いや、していないです(笑)」とおどける。「たまにするだろ、お前」と黒田。「いや、していない、していない。僕抜きでしているということです」と笑った。

 数分間の取材でも十分に伝わった素晴らしい関係性。ライバルを越えた親友トリオが牽引する「2003年生まれ世代」。若手の躍動は2019年以来のリーグ優勝へ欠かせぬピースとなる。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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