倉本寿彦がハヤテで戦い続ける理由 若手に「CS出たんですね!」…DeNA戦力外から4年、35歳で追うNPB復帰「なんかあるかも」

ハヤテでプレーを続ける倉本寿彦【写真:湯浅大】ハヤテでプレーを続ける倉本寿彦【写真:湯浅大】

倉本はハヤテ3年目の今季、110試合に出場…2年連続で100安打超

 元DeNAで、現在はハヤテに所属する倉本寿彦内野手が宮崎で開催されている「フェニックス・リーグ」に参加し、若手とともに精力的に汗を流している。今季のファーム・リーグではチームで3番目に多い110試合に出場。来年1月7日に36歳となるベテランを何を思い、若手とプレーしているのか――。

 ファーム・リーグに新規参入した2024年からハヤテに所属し、今季で3年目のシーズンを終えた。110試合に出場し、2年連続で“大台超え”の104安打を放ち、打率.259を残した。

「あんまりうまくいかなかったかなとは個人的には思うんですけど、キャプテンもやらせていただいて、新しい刺激もあって……あっという間だったなというのはありますね」

 倉本は「うまくいかなかった」部分について、「もっとできたんじゃないかなっていうのは、自分の中ではありました。もうちょいうまくなりたいというか」と説明。向上心は尽きていない。「そういう気持ちは全然ありますよ。力を発揮したいなっていうのは常々思っていたので、はい」。

 DeNAに8年間所属し、通算667試合に出場した。NPB球団と比較すると、ハヤテは環境面で厳しい面は否めない。それでも主力として試合に出続けている。原動力はどこにあるのか。

「何ですかね、不思議ですよね。自分でもやっていて不思議なんですけど(笑)。まあでも、本当にうまくなりたいと思う気持ちがあります」

“ハヤテ3年目の今季、110試合に出場した【写真:湯浅大】”ハヤテ3年目の今季、110試合に出場した【写真:湯浅大】

来年1月に36歳も消えぬ“炎”「チャンスがある限りは持っていないと」

 2022年オフにDeNAを戦力外となり、プロ入り前に所属していた社会人野球・日本新薬で1年間プレーし、2024年にハヤテに入団した。目指しているのはNPB球団への復帰。年齢的にも厳しい部分は否めないが、あえて口にした上で高い“壁”に挑戦している思いを直撃した。

「それはもちろんです。年齢のこともあるので、それは重々、把握していますし、いろんなことは感じています。厳しいのはわかっています」

 年齢を重ねるごとに遠のく場所であることは理解している。「まあでも……」と倉本は続ける。「野球をやりながら自分自身も、ひとつずつステップアップというか、レベルアップというか、いろんなことを感じながらやれています。人間力という部分でも自分にプラスアルファがあるので、すごく充実している感じはあります」。

 野球を続けることで得るものの大きさを実感している。可能性は少ないかもしれないが、NPB復帰への“炎”は消えていない。「やっている以上は、何があるかわからないですし、チャンスがある限りは持っていないといけないと思います。『もうないよ』と言われたらそこで終わってしまいますけど、いる限りはなんかあるかもしれないので」と力強く言い切った。

“DeNA時代の倉本寿彦【写真:荒川祐史】”DeNA時代の倉本寿彦【写真:荒川祐史】

若手選手からの言葉に「時間の流れを感じます」

 古巣のDeNAはクライマックスシリーズ(CS)で激闘を繰り広げている。「ちょこっと見たっすね」という。ただし、「思い入れとかはなくて『あ、CSやっているな』ぐらいですけど。もう、自分がいたときから、知らない選手も多いので」と俯瞰している。

 今はハヤテの一員として日々、戦っている。「この年齢でチャンスをいただけているのはすごいありがたいです。感謝しながら、まだ野球がうまくなりたいと思いながらやっています」と胸中を明かす。

 倉本のDeNA時代の映像を見たハヤテの若手から「CS出たんですね!」と言われたという。「なんだか時間の流れを感じますけどね(笑)。でも、みんなはそういう場所を目指していると思うので、僕自身も若い選手に元気をもらいながらやっています。1本でも多くヒットを打ちたいので」。

 置かれている立場は変わりつつあるが、闘志は変わっていなかった。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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