阪神終戦で“CS不要論”再燃も…忘れがちな「81.1%」 1位の優位性、DeNAの“異常数値”

現行方式の骨格となった2008年以降、1位の突破率は81.1%
■DeNA 8ー5 阪神(17日・甲子園)
143試合を戦ってリーグ優勝した阪神が、3位DeNAに4連敗――。まさかの終戦を受け、クライマックスシリーズ(CS)の“不要論”が再燃している。長いペナントレースの価値をどう守るか。議論が起こるのは理解できるが、歴史を振り返れば、CSは決して下位球団に甘い制度ではない。
両リーグでCSが始まったのは2007年。1位球団に1勝のアドバンテージが与えられ、現行方式の骨格となった2008年以降、2020年の特例を含めてファイナルステージは37度行われた。そのうち1位が日本シリーズへ進んだのは30度。突破率は81.1%に達する。
1位以外の突破はわずか7度。2位は2014年阪神、2018、2019年ソフトバンクの3度だった。3位は2010年ロッテ、2017年DeNA、2024年DeNA、そして今年のDeNAの4度しかない。しかも、そのうち3度をDeNAが占めている。
制度上も1位は圧倒的に有利だ。ファーストステージを免除され、ファイナルステージは全試合を本拠地で開催。原則1勝のアドバンテージを持ち、実際の試合では3勝すれば突破できる。下位球団は原則4勝が必要で、アドバンテージを含む勝利数が並んだ場合も1位が勝者となる。2026年からは10ゲーム差以上、または勝ち上がり球団が勝率5割未満の場合、アドバンテージが2勝に増える仕組みも導入された。
海の向こうでは、受け止め方が少し違う。地区制のMLBとは単純比較できないが、1995年のワイルドカード導入後、地区優勝を逃した延べ16球団がワールドシリーズへ進み、8度の世界一を成し遂げた。2023年にはワイルドカード同士のレンジャーズとダイヤモンドバックスが激突し、レンジャーズが頂点に立った。番狂わせは「レギュラーシーズンの否定」より、10月の醍醐味として語られることが多い。
もちろんMLBでも、上位シードが試合間隔によって実戦感覚を失うのではないかという議論はある。ただ、それは制度設計を検証する話であり、ワイルドカード球団が勝ち上がる資格そのものを否定する議論とは違う。ポストシーズンを設けた以上、そこで勝ち切ったチームを評価するのが制度の前提でもある。そして当然、ペナントを制した事実は歴史において永遠に残り続ける。
今年のDeNAは東京ドームで2位巨人に2連勝し、甲子園では阪神に4連勝。敵地だけでCS6戦全勝だった。1勝のアドバンテージも、本拠地開催も、引き分け時の優位も、すべて実力で跳ね返した。これを「制度の欠陥」の一言で片付ければ、勝者の凄みまで見失う。
短期決戦でリーグ王者が敗れれば、制度への疑問は避けられない。それでも、8割を超える1位突破率と、3位からの進出がわずか4度という数字は、優勝チームが十分に報われていることを示す。阪神のリーグ優勝という事実も揺らがない。今回浮かび上がったのはCSの無意味さではなく、3位から3度も扉をこじ開けたDeNAの異常さだ。
(Full-Count編集部)