巨人ベンチの雰囲気は「最悪ですね」 まさかの3連敗…選手もざわついた“緊急会談”

3連敗から4連勝…元巨人の岡崎郁氏は1989年日本Sで優秀選手賞
巨人は1989年、近鉄との日本シリーズで3連敗後に4連勝し、8年ぶりの日本一に輝いた。当時の正三塁手として活躍し、同シリーズの優秀選手賞を獲得した岡崎郁氏が舞台裏を明かした。3連敗でベンチの雰囲気は「最悪」だったという。そこからチームが奮起したきっかけは、近鉄・加藤哲郎投手の有名な“挑発”ではなく、実は別のところにあったと語った。
ポッドキャスト番組「Full-Count LAB―探求のカケラ―」に出演した岡崎氏は「ジャイアンツはセ・リーグで優勝しても日本シリーズで負けると、オフに『残念だったね』って言われるチームなんですよ」と、巨人ゆえの宿命を明かした。それだけに、いきなり3連敗したベンチ内の空気を問われると「もう最悪ですね」と即答した。
ただ、3試合はいずれも接戦だった。「1つ取ればこっちが連勝する確率もあるぞ、って内容だったので悲観的ではなかった」という。第3戦後、勝利投手となった加藤投手の発言が“歪曲”され、「ロッテより弱い」と挑発的に報じられたことが波紋を呼んだ。
「それが起爆剤になったって皆さん物語を作りたがるけど、そういう感じでもなかった」。むしろナインに火をつけたのは、別の情報だった。巨人の編成に大きな影響力を持つ、読売新聞社の務台(むたい)光雄名誉会長がチーム宿舎を訪れ、藤田元司監督と話をしたというのだ。
「このまま負けたら藤田さん、辞めるって言っちゃうんじゃないか。それはどうしても嫌だなみたいなのはありましたよね。流れを変えたいときに起爆剤は欲しいですが、そっちの方が加藤さんの発言よりも大きかったと思いますね」

「その時点でもう勝てると思いました」
巨人は第4戦に勝利。第5戦では、それまでシリーズ無安打だった原辰徳が初安打となる満塁弾を放つなどして2連勝。2勝3敗で敵地・藤井寺に乗り込む段階で、岡崎氏は「もう勝てると思いました」と振り返る。勢いに乗った巨人は、崖っぷちからの4連勝で日本一となった。
岡崎氏は2本塁打を放ち、同年のシリーズ最多の6打点を挙げて優秀選手賞を獲得した。長いキャリアで最も印象深いシーズンだったという1989年。「あの打席は何億円積んだって立てないですから」。5万人の重圧を感じながら結果を残した男の言葉には、短期決戦を戦い抜いた実感がこもっていた。
(Full-Count編集部)