現役ドラフトの過酷な現実…“生存率”「58.3%」 NPB新記録→侍J入り25歳も、くっきり明暗

中村稔、茶野も戦力外に…辰見は走力を武器に飛躍
新天地に活路を求めた選手たちが、わずか1年で異なる秋を迎えている。ソフトバンクは26日、昨年の現役ドラフトでロッテから加入した中村稔弥投手に来季の契約を結ばない旨を通達した。西武でもオリックスから移籍した茶野篤政外野手が戦力外に。昨年12月に移籍した12人のうち、ここまで5人に戦力外や自由契約が通知された一方、NPB記録を更新して侍ジャパン入りを果たした選手もいる。
中村稔は今季、7試合で10イニングを投げ、防御率2.70。6月7日に1軍昇格したが、8月7日に登録を抹消され、日本シリーズの出場資格者名簿にも入らなかった。「自分の中では、戦力も厚い中で結果を残せなかったので、覚悟はしました」と受け止め、今後については「ゆっくり考えていこうかなと」と語った。
茶野も新天地で出場機会を広げきれなかった。オリックスでは育成入団した2023年に開幕前の支配下登録を勝ち取り、91試合に出場。しかし、その後は出番が減り、昨オフの現役ドラフトで西武へ移った。今季は16試合で7打数1安打、打率.143。球団を通じて「ライオンズファンの皆さま、1年間という短い間でしたが、たくさんの応援をいただき、本当にありがとうございました」と感謝を届けた。
セ・リーグでも厳しい知らせが続いた。DeNAから中日へ移った知野直人内野手は、6試合で3打数無安打に終わり、10月1日に戦力外通告。逆に中日からDeNAへ移った濱将乃介外野手も、1軍出場がないまま9月30日に来季の支配下契約を結ばない旨を通知された。日本ハムから巨人へ加入した松浦慶斗投手も1軍登板はなく、10月9日に自由契約が発表された。
持ち味を発揮して居場所を掴んだのが、楽天から広島へ移った辰見鴻之介内野手だ。楽天時代の1軍出場は2024年の2試合だけだったが、今季は71試合で28盗塁。9月15日のヤクルト戦で代走としてシーズン27個目の盗塁を成功させ、NPB記録を47年ぶりに更新した。わずか25打席ながら、走力で存在感を示した。
25歳の辰見は、11月の「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」に臨む侍ジャパンにも選出された。出場機会を求めて移った先で代走の切り札となり、国際舞台への切符まで手にした。
打撃で可能性を示した選手もいる。阪神からロッテへ移った井上広大外野手は、54試合で打率.182と課題を残しながらも8本塁打、15打点。ソフトバンクから楽天に移った佐藤直樹外野手も、71試合で打率.244、6本塁打、19打点を記録した。新たな役割を得た選手と、再び契約の岐路に立つ選手。同じ日に移籍が決まった12人の歩みは、早くも分かれている。
(Full-Count編集部)