来日中のCY賞投手が伝えた“教訓”「しくじるのは簡単」 少年少女へ…「もっと大きな視点で」

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  • 2026.10.28
野球教室に参加したパイレーツのポール・スキーンズ【写真:編集部】
野球教室に参加したパイレーツのポール・スキーンズ【写真:編集部】

最速164.2キロ右腕も「幼い頃は剛速球を投げられなかった」

 2025年ナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝き、最速102マイル(約164.2キロ)を誇るパイレーツのポール・スキーンズ投手が24日、MLB主催の野球教室に参加した。小学6年生以下の投手約50人からの質問に答え、球速と制球力について自身の考えを披露。目先のストライクだけにとらわれず、身体を自由に動かす大切さを説いた。

「私が幼い頃、君たちと同じくらいの年齢の時は、剛速球を投げられなかった。でも、ストライクは投げられる投手だった」

 現在は球界屈指の剛速球を投げ込む右腕にも、球速が目立たない時期があった。プロの投手には、球速がありながら制球に苦しむ選手もいれば、球速がなくても制球力で勝負する選手もいると説明。その上で、MLB球団は球速のある投手を求める傾向にあるとした。

「剛速球を投げられて、ストライクも取れる投手なら、なおいい。それができればメジャーリーガーになれるからね」

 子どもたちの年代では、目標に向かって取り組む中で、身体が課題を達成するための効率的な動きを探していくという。「バイオメカニクスはそういう考え方なんだ」と語り、身体の使い方を身につける過程の重要性を説明した。

ストライクだけを求めると「自分に制限がかかる」

 一方で「ストライクを投げることだけを意識すれば、しくじるのはいとも簡単だ。自分の可能性に制限がかかってしまうんだ」とし、ストライクを投げるという結果だけに意識を絞ることには注意を促した。

 狙った場所へ投げようとするあまり、身体の動きそのものを小さくしてはいけない。まずは身体をできるだけ自由に動かし、その中で自分の腕や身体が空間のどこにあるのかを感覚でつかむ。そうした経験の積み重ねによって、制球力も後から身についてくるという考えだ。

 もっとも、身体感覚や空間認識を養うには「途方もない時間がかかる」という。若いうちは早く結果や成功を求めたくなることにも理解を示しながら、成長過程にある子どもたちへ呼びかけた。

「若い頃は結果や成功を求めるから、それを理解することは難しい。でも、もっと大きな視点で見てほしい」

 現在の制球力だけで、将来の可能性を狭める必要はない。世界最高峰の舞台で腕を振る右腕は、長い時間をかけて身体を知ることの大切さを伝えていた。

(増井貴志/Takashi Masui)

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