松井秀喜監督に「教えてほしいです」 巨人リチャードに刻まれた“屈辱”…誓った10年目の飛躍「責任を負う立場」

2026年シーズンは不完全燃焼に終わった巨人のリチャード【写真:加治屋友輝】2026年シーズンは不完全燃焼に終わった巨人のリチャード【写真:加治屋友輝】

DeNAとのCSで最後の打者に…巨人は“終戦”を迎えた

 強い危機感と期待を抱き、秋を迎えている。巨人のリチャード内野手は川崎市のジャイアンツ球場で全力でバットを振り続けていた。DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦で空振り三振を喫し、最後の打者となった場面を「力負け」と受け止め、来季の雪辱を誓う。そして、松井秀喜新監督への熱い思いとともに「4番」への渇望を示した。

 9年目の今季はオープン戦で左手に死球を受け、骨折。6月12日に1軍初昇格し、同21日に抹消された。7月10日に再昇格を果たすも、10打数無安打6三振で同17日に再び2軍へ。順位争いが佳境を迎えていた9月27日に“起爆剤”の長距離砲として1軍に呼ばれたが、14試合で打率.176、3本塁打、7打点に終わった。

 2軍では12本塁打、OPS.937を残しており「帝王」との声も聞こえてくる。受け入れ難い“称号”を払拭するため、「一日一日を大切に、今シーズンに出た課題と向き合わない日が1日たりともないように。それが当たり前なのかもしれないですけど、僕はそういう、毎日やることへの気持ちがまだまだ弱いと思うので……」。

 屈辱は忘れていない。負ければ終戦のDeNAとのCSファーストステージ第2戦、1-4の9回2死。マウンドには守護神、ショーン・レイノルズ投手という状況で打席を迎えた。絶体絶命ながら、一発が出れば流れが変わると巨人ファンが願うなか、1ボールから2球続いたカットボールをともに見逃して追い込まれ、最後は外角へ大きく曲がるカットボールにバットは空を切った。

 巨人の2026年シーズンが終わった瞬間だった。ため息と歓声が入り混じる東京ドームで、リチャードは無表情のまま、ベンチ裏へと下がっていった。あの時、何を感じ、現在はどう“消化”しているのだろうか。

【動画:DAZN】

初対戦だったDeNA守護神に「力の差を感じてしまいました」

「本当に、力負けしているというのは1、2球で分かったので。追い込まれたあとは見逃し三振だけはしないように、絶対に諦めたらダメなので、打つつもりで思い切り振ろうと決めていました」

 レギュラーシーズンでは機会がなかったレイノルズとの対戦。簡単に攻略できる軌道ではなかった。「初見で打てるような僕の技術ではなかったと思います。力の差を感じてしまいました」。

 偽りのない胸中を明かす。そしてすぐに続けた。「来年絶対に打ったろうと思います。今はそういう気持ちです」。

 現実を受け止め、前を向いて2027年シーズンへ向かうリチャードを奮い立たせるのが松井秀喜新監督の就任だった。憧れたレジェンドと同じユニホームを着て、一緒のベンチで戦えるのは、大きな活力となる。

来季から指揮を執る巨人・松井秀喜監督【写真:黒澤崇】来季から指揮を執る巨人・松井秀喜監督【写真:黒澤崇】

「すごい成績を残して、ホームランもあれだけ打った方ですから。(自分とは逆の)左バッターではありますけど、絶対に通ずるものというのは何かあると思う。ホームランのところもそうですが、あれだけ長く野球をされてきたので、取り組み方だったり、姿勢だったりと、教えていただけるのなら教えてほしいです」

10年目の決意と覚悟「僕も、そろそろ責任を負う立場」

 特に興味があるのはやっぱり「ホームラン」だ。「4番に僕もなりたいので。4番になるために必要なことですね。努力でなれるものなのかはわかりませんけど」と言葉に力を込めた。

 来季でプロ10年目を迎える。「僕も、そろそろ責任を負う立場。松井さんはずっとそういう立場にいたと思う。そういった部分や重圧との向き合い方を聞いてみたいです」。チームの中心になるべく強い意志を覗かせた。

 現役時代の打席内での松井監督の冷静な佇まいは印象に残っている。「僕はどっちかというと興奮しがち。(ボールに)飛びついてしまうようなタイプなので。その部分はうまくいくこともあれば、いかないこともあるので、自分の引き出しが増えるような話も聞きたいです」。

 学びたいことは次から次へと湧いてくる。規格外のパワーを誇る27歳。松井新監督のもと、1軍で豪快アーチを連発する瞬間を楽しみにしたい。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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