元鷹戦士の3人が語った“課題と未来” DeNAが日本Sで得たもの…4連敗も「勝ち目がないとは思わなかった」

日本シリーズを戦ったDeNA・井上朋也、三森大貴、尾形崇斗(左から)【写真:黒澤崇】日本シリーズを戦ったDeNA・井上朋也、三森大貴、尾形崇斗(左から)【写真:黒澤崇】

日本シリーズは4連敗も得失点差はわずか「-6」

 1-3、3-4、1-2、2-4――。パ・リーグ3連覇を果たしたソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2026」は、DeNAの4連敗で幕を閉じたが、4戦合計の得失点差はわずか「-6」だった。いずれの試合もロースコアの展開となり、初戦から3試合続けて延長戦に突入したのは史上初の出来事だった。両チームの戦力は拮抗しているかのように思えたが、数字以上の差を口にしたのが“元・鷹戦士”の3人だった。

 様々な感情が渦巻く古巣との戦いで、まさに「三者三様」の活躍ぶりだった。2024年オフにトレード加入した三森大貴内野手は、24日の初戦で2安打をマーク。何より印象的だったのは、巧みな盗塁技術だった。同点の9回2死で中前打を放つと、次打者・林琢真内野手の4球目にディレイドスチールに成功。さらに7球目に再びスタートを切り、鮮やかに三盗を決めた。1イニング2盗塁ならぬ、“打者1人2盗塁”という離れ業。勝利にはつながらなかったものの、自慢の脚で横浜スタジアムを沸かせた。

 山本祐大捕手との交換トレードでDeNAに加入した尾形崇斗投手と井上朋也内野手も、それぞれ見せ場を作った。尾形は25日の第2戦に先発。強力打線の古巣相手に5回途中2失点の内容。「6番・右翼」で先発出場した井上は、球界屈指の左腕であるリバン・モイネロ投手から2回と4回に二塁打をマーク。5月中旬にチームへ加わった2人が確かな存在感を示した。

 王者ソフトバンクの力を十分に知る3人が揃って口にしたのは、肌で感じた明確な差とDeNAの“可能性”だった。「実際に1試合も勝てなかったというのが全て」「勝ち目がないとは全然思わなかったです」――。3人の証言をもとに、チームの現状を紐解く。

「ホークスはあらゆる面での隙のなさもそうですし、ここぞというところの集中力もそうですし。4試合ともいい試合という感じにはなっていますけど、実際に1試合も勝てていないというのが全てなので。チームとしてホークスはリーグ優勝していますし、自分たちは優勝していないわけで、その差はあるのかなと思いますし、そこに向き合ってやっていかないといけないかなと」

三森が直視した現実「自分たちは優勝していない」

三森は初戦で1イニング2盗塁を決めるなど、攻守に活躍した【写真:黒澤崇】三森は初戦で1イニング2盗塁を決めるなど、攻守に活躍した【写真:黒澤崇】

 日本シリーズ第4戦を終えた後、淡々と振り返ったのが三森だった。プロ入りから8年間を過ごしたソフトバンクの強さを素直に認めつつ、自らの力不足を口にした。リーグ3位からの“下剋上”を狙ったDeNAだが、1年間を通した“本物の強さ”が必要との見方だった。

 井上も敵として戦ったソフトバンクの力を改めて実感した様子だった。「分かってはいたんですけど、ちょっと慣れていた部分はありましたね。同じチームでずっと見ていたから。久々に見たら、改めて強いなと。特に(初戦から)3試合は強烈でしたね。勝ち切る強さを感じました」。

 その一方、井上はDeNAの“未来”についても口にした。「勝ち目がないとは全然思わなかったです。第4戦は25歳以下の選手が4人もスタメンで出ていたので(井上のほか度会隆輝、松尾汐恩、成瀬脩人)。選手のポテンシャルも高いですし、これから強くなれると信じています」。自らを含め、若手の成長がDeNAのカギを握るのは間違いない。

第2戦、井上はモイネロから二塁打を放った【写真:黒澤崇】第2戦、井上はモイネロから二塁打を放った【写真:黒澤崇】

 尾形も「点差以上に守備や走塁面でのミスのなさというのは、ホークスにいた時から感じてきたことなので」とソフトバンクの手ごわさを語った一方、右腕が強調したのはDeNAの日本シリーズでの戦いぶりだった。

「うちのチームもすごく力を発揮していたとは思います。あのホークス打線にロースコアの展開に持ち込めるというのは、なかなかできないことだと思いますし……。1番から9番までタレントが揃っていて、なおかつ繋ぐこともできるし、一発もあるしという打線を相手に接戦を演じられた。ベイスターズも攻守に本当にすごいなと感じました」

古巣相手に、第2戦で5回途中2失点の粘投を見せた尾形【写真:黒澤崇】古巣相手に、第2戦で5回途中2失点の粘投を見せた尾形【写真:黒澤崇】

 三者三様に感じたソフトバンクとの差と、DeNAの「可能性」。リベンジを実現させるためには、まずセ・リーグを制覇するのが一番の近道となる。接戦が続いた日本シリーズで喫した4連敗。この経験を糧にできるかどうかは選手次第だ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

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