「なんでスーツ着てるんですか?」 師匠・甲斐拓也が電撃放出…一番弟子に届いたビデオ電話

山瀬慎之助が楽天へ移籍した甲斐拓也の舞台裏を明かした
巨人の甲斐拓也捕手が楽天へ金銭トレードで電撃移籍することが30日に発表された。球界に大きな衝撃が走る中、松井秀喜新監督のもと秋季キャンプ2日目を迎えた31日、一番弟子として慕ってきた山瀬慎之助捕手が取材に応じ、師匠から移籍を知らされた舞台裏を明かした。
事の始まりは、トレードが発表された30日の朝だった。山瀬のスマートフォンに、甲斐から突然ビデオ電話がかかってきたという。
「昨日、朝電話がかかってきて知ったんですけど。ビデオ通話がかかってきて、『自主トレやるぞ。お前だけは強制だから』と。(ビデオ電話で)スーツを着てたんで、『なんでスーツを着てるんですか?』と聞いたら『事務所に行ってくる』みたいな。そこで知ったんで。衝撃的でした」
画面越しに見えた普段とは違うスーツ姿が、予期せぬ別れの合図だった。ビデオ電話の中での「お前だけは強制だから」という言葉に、山瀬も「僕もずっとついていきますって言ってるんで」と、チームの垣根を越えて師弟関係が続くことを笑顔で明かした。30日夜には早速食事を共に。内容については「世間話です(笑)」と普段通りの時間を過ごしたという。
同じ捕手として、誰よりも背中を追ってきた存在だった。甲斐から学んだことについて問われると、山瀬はプレー面以上に人間性への強い敬意を口にした。
「技術的なこともそうなんですけど、内面的な部分というか、気配りとか思いやりができる方だなと初めて会った時から思っていて。どんな方にも、どこに行っても下から入るというか、そういうところがすごく好きですし、尊敬できるところだなと思ってます」
巨人の正捕手を狙う立場として、師匠の突然の退団は複雑な感情とともに、自らの覚悟を促すきっかけにもなる。甲斐からは常々、熱い期待の言葉をかけられていたという。
「来年以降頑張って、僕も甲斐さんの弟子として恥じないような成績を残せるように。甲斐さんからはずっと『次の10番をつけてほしい』って言われてるんで。つけられるぐらい、何年後になるか分からないですけど、頑張りたいと思います」
高卒7年目の今季は自己最多とはいえ、10試合出場ではまだまだ物足りない。来季は星稜高の大先輩にあたる松井秀喜新監督が就任。首脳陣がガラッと変わり、新体制で迎える来シーズンに向けても強い決意をにじませる。
「やっぱり年齢層的にも僕が早く試合に出ないといけないっていうのは、客観的に見てもそうなんですけど。その中で監督であったり首脳陣がガラッと変わって来シーズン始まるっていうのは、転機にはなると思うんで。そこでちゃんと結果を出せるように準備していきたいと思います」
偉大な師匠が託してくれた言葉を胸に、一番弟子・山瀬慎之助が巨人の扇の要をつかみ取るべく、さらなる飛躍を誓う。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)