侍Jでも変わらぬ“意識”「行かない理由はない」 25歳が明かす矜持…井口監督が託す「大事なところ」

広島との練習試合に出場した侍ジャパン・辰見鴻之介【写真:井上学】
広島との練習試合に出場した侍ジャパン・辰見鴻之介【写真:井上学】

辰見鴻之介が2度の盗塁成功、井口監督も評価

 野球日本代表「侍ジャパン」は8日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で広島との練習試合に臨み、5-1で白星を飾った。この試合で存在感を光らせたのが、井口資仁監督が“足のスペシャリスト”として期待する辰見鴻之介(広島)だ。警戒される中でも、代走として2度の盗塁成功。仕事を全うするための心得として「最高の準備をすることと、覚悟を持ってやりきること」という極意を明かした。

 最初の出番は5回、2死から中前打を放った渡部聖弥(西武)の代走だった。次打者の2球目、辰見は二盗に成功。直後、打席に立つ進藤勇也(日本ハム)が右飛に倒れ、得点には結びつかなかったが、持ち味を発揮した。

 練習試合での特別ルールにより、守備には就かずベンチに下がった辰見は、7回に再び代走として登場。一塁走者の正木智也(ソフトバンク)に代わって出場すると、4度の牽制を受けながら、最後はヘッドスライディングで二盗を決めた。その後、三塁に進んだ辰見は、1死一、三塁から山口航輝(ロッテ)の遊ゴロの間にホームへ生還。終盤の貴重な追加点に繋げた。

 試合後、辰見は「2回とも良い準備ができました」と頷いた。井口監督も「ここぞという時に成功できる選手は非常に大きい。やっぱり行く勇気も必ず盗塁には必要なので、そういうところを兼ね備えている選手」と高く評価。続けて「今日も初回からほとんど準備してくれたのかな? ヘルメットを被ってですね。そういう意味では、本当に大事なところを任せたいなと思っています」と指揮官は信頼を高めたようだ。

 バッテリーから盗塁を警戒される中でも「いつも初球からいけるようにしています」と話す。盗塁を仕掛けるだけではなく、成功させるためには「最高の準備をすることと、覚悟を持ってやり切るということです」。かつてはスタートに戸惑うこともあったようだが、昨年頃から覚悟が決まったという。そして今では「行けるのに行かない理由はないと思うんで」と、頼もしさを漂わせる。

 2022年育成ドラフト1位で楽天入りし、昨年12月の現役ドラフトで広島に移籍。今季はキャリア初の開幕1軍入りを果たすと、主に代走として71試合に出場し、28盗塁を決めた。侍ジャパンへの選出について「まったく想像していなかったです」と話す25歳。12日から始まる「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」では、オーバーエイジ枠を使って選んでくれた指揮官の期待に応える韋駄天ぶりを発揮したい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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