11歳下のロッテ安田にも「勉強させてもらいます」 鷹・柳田から溢れる謙虚な人間性

ソフトバンク・柳田悠岐(左)とロッテ・安田尚憲【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・柳田悠岐(左)とロッテ・安田尚憲【写真:荒川祐史】

「自分も良いバッターを見て勉強するところも間違いなくある」

 23日に契約更改交渉を行い、日本人野手史上最高額に並ぶ6億1000万円でサインしたソフトバンクの柳田悠岐外野手。2002年の松井秀喜氏に肩を並べ、ソフトバンク球団では史上最高となった。

 球界No1の強打者といって過言ではない柳田。今季は119試合で打率.342、29本塁打86打点の好成績を残し、最多安打のタイトルも獲得した。3年ぶりのリーグ優勝、4年連続の日本一に貢献し、球団幹部からも「日本一に1番貢献してくれた中の1人と評価しています」と大絶賛だった。

 これだけの活躍を見せても、柳田は上だけを見る。今季を振り返ると、1試合に欠場したことを反省。首や腰の痛みを抱えながらプレーを続けていたものの、「バッティングの状態が悪かったので『使い物にならん』ということだと思う。そこは自分で反省して、状態を維持できるように、外されないようにやっていかないといけない」と課題に掲げた。

 柳田ほどの打者になれば、打撃の状態が悪かろうが、スタメンから外されることはなさそうなものだが、柳田自身はそうは捉えない。今季も「もう1度レギュラーを奪いに行く」と挑戦者の気持ちでいた。この謙虚に自分を見つめられるところが、柳田の最大の魅力であり、長所だろう。

 来年1月の自主トレは佐賀・嬉野市で行う予定で、そこにはロッテの4番・安田尚憲内野手が参加する。安田が“柳田塾”に参加する形だが、柳田は「一緒にやらせてもらいます。クライマックスでも素晴らしいバッティングしていましたし、自分もそういう良いバッターを見て勉強するところも間違いなくある。自分が勉強させてもらいます」と語っていた。

 現在、柳田は32歳で安田は21歳。ひと回り近く離れた後輩ではあるものの、柳田は本気で「勉強させてもらう」つもりでいる。豪快なプレースタイルはもちろん、裏表のない、常に謙虚な人間性。こんなところにも柳田の人気の秘密は隠されている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY