脅威の“ファウル打ち”中島卓也 記念すべき「初体験」を糧に飛躍期す今季

日本ハム・中島卓也【写真:石川加奈子】
日本ハム・中島卓也【写真:石川加奈子】

昨季はプロ9年目にして“人生”初本塁打

 苦しみ抜いたシーズンで、「人生初」のその体験が一服の清涼剤となっただろうか。北海道日本ハムの中島卓也内野手が、昨年、プロ9年目にして初本塁打を放った。だが、深刻な打撃不振と相次ぐ怪我にも悩まされた1年だった。新たな立場で迎える今年は、中島卓選手にとってもチームにとっても、巻き返しを期す重要な年となる。

 中島卓選手は福岡工業高校時代、同級生の三嶋一輝投手(現横浜DeNA)の陰に隠れて無名の存在だった。だが、北海道日本ハムスカウトに見出され、いわば「隠し球」として2008年ドラフトで5位指名を受ける。4年目に1軍に定着すると、課題だった打撃でも少しずつ成長を見せ、主力の1人して自身の立場を確立していった。

 プロ野球選手としては細身で、トレードマークのオールドスタイルの着こなしが、それを強調しているようにも見える。一方で「1年を通して試合に出続けられる」ことが、中島卓選手の強みでもある。2015年は全試合に出場して打率.264をマークし、34盗塁で盗塁王に輝く飛躍のシーズンに。翌2016年も全試合出場を継続し、粘り強い打撃と巧みな走塁・守備でチームの日本一に大きく貢献。ギリギリまでボールを呼び込みカットし続ける“ファウル打ち”は対戦相手の脅威となり続けた。

不振、ケガに苦しみ自己ワーストの成績に終わる

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