なぜダルビッシュが必要なのか ツインズが求める圧倒的な奪三振能力
争奪戦で最も熱心とされるツインズ、獲得は「非現実的な話ではない」
停滞が続くメジャーリーグのFA市場で、昨年からその動向が最も注目されているのが、当初からNO1評価を受けてきたダルビッシュ有投手だ。昨季途中に移籍したドジャースとの契約が満了した右腕に対しては、複数球団が興味を示しており、なかでも特に熱心とされているのがツインズ。決して予算は潤沢ではないものの、ダルビッシュのために大金を用意しており、躍進を目指してエースの獲得に力を注いでいる。
ツインズにはなぜダルビッシュが必要なのか。米国の権威あるスポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」は「ようやくツインズがプレーオフの扉を開いた。彼らに必要なのは先発投手である」と題した特集記事を掲載。昨季プレーオフ進出を果たしながら、ワイルドカードゲームでヤンキースに敗れたツインズについて、その躍進は「感銘的だった」と言及。そして、「彼らは再建中のチームではない」と今季の更なる飛躍に期待している。
記事では、サド・レヴィーンGMがダルビッシュの獲得を「優先事項」としていると紹介。そして「彼らはダルビッシュに強い関心を抱くことで巧みに話を進めていっている。これは非現実的な話ではないということも確かだ」と、争奪戦に勝利する可能性もあるとの見方を示している。キーマンとなるのはレヴィーンGM。レンジャーズGM補佐時代に、ダルビッシュ獲得に尽力した人物で、同誌は2人の友好関係にも触れている。
また、ツインズにダルビッシュが必要な理由は、その奪三振能力の高さにもあるという。「空振りを獲る能力が不足していることは、ミネソタでは古くから課題になっていた」というのだ。データとして、チーム奪三振数が2011年から2015年までリーグ最下位だったこと、9回あたりの奪三振数が「8」以上なのはホセ・べリオスだけだということ、オフに獲得したマイケル・ピネダ(前ヤンキース)は昨年7月にトミー・ジョン手術を受けたためにシーズン終盤にしか投げられないこと、を指摘。さらに、ツインズでは昨季16勝を挙げたアービン・サンタナも指の手術で10~12週間離脱することが発表されたばかりで、エース級の先発投手は不可欠だ。