大谷翔平、リアル二刀流で先制弾&5回途中3失点 アクシデント降板、エ軍サヨナラ勝ち
5回投球中に本塁ベースカバーに入った際に走者と交錯、球団は軽傷強調
■エンゼルス 7ー4 Wソックス(日本時間5日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は4日(日本時間5日)、本拠地・ホワイトソックス戦で「2番・投手」で出場した。今季初登板は渡米後初の投打同時出場。初回の第1打席で2試合ぶりの先制2号ソロを放つと、投球では渡米後最速タイ101.1マイル(約162.7キロ)の剛速球で5回途中2安打3失点(自責1)。今季初勝利、2018年5月20日のレイズ戦以来1050日ぶりとなる勝ち星はならなかった。チームは同点の9回、ウォルシュの1試合2発となる中越え3ランでサヨナラ勝ち。3勝1敗で開幕カードを勝ち越した。
いきなりの豪快弾だった。初回1死。右腕シーズの初球フォーシームを捉え、右中間へ先制2号ソロを放った。メジャー通算49本塁打とし、城島健司を抜いて日本人単独3位に浮上。本塁打の打球速度は今季メジャー最速115.2マイル(約185.4キロ)を記録。打球角度は21度で、飛距離451フィート(約137.5メートル)は公式戦自己最長だった。
ア・リーグ先発投手が本塁打を放つのは1972年シーズン最終戦のロリック・ハリソン(オリオールズ)以来49年ぶり。チーム先発投手の本塁打は1972年9月8日の元巨人クライド・ライト以来で、いずれもア・リーグにDH制が導入される前だ。2回2死一塁で中飛、4回2死一、三塁は遊ゴロに倒れた。
投げては160キロを超える剛速球で攻めた。初回2死からアブレイユを四球で歩かせたものの、モンカダを遊ゴロ。2回は絶好調メルセデスを空振り三振に仕留めて3者凡退。3回は2死二塁ではイートンを渡米後最速タイ101.1マイルで遊ゴロに打ち取った。4回2死一、二塁ではロバートを3球三振に仕留めて雄叫び。5回2死満塁では自らの暴投で失点。続くモンカダの振り逃げと味方のエラーの間に2失点した。その際に本塁突入した走者・アブレイユと本塁付近で交錯。転倒してアクシデント降板となった。4回2/3で92球(ストライク53球)を投げ、2安打3失点(自責1)。7奪三振5四球だった。
大谷のアクシデント降板について、球団は「ショウヘイは大丈夫です。ただ一般的な痛みがあるだけで、明日また状態を見ます。(ミナシアンGMは)怪我によって交代したのではないと話していました」と発表した。5日(同6日)の本拠地・アストロズ戦以降の打者出場は回復次第となりそうだ。
メジャー公式戦でDH解除は2016年6月30日のジャイアンツ・バムガーナー(現ダイヤモンドバックス)以来1739日ぶりだ。球団によると、「2番・投手」は1902年9月1日のワッティー・リー(セネタース)、1903年9月7日のジャック・ダンリービー(カージナルス)以来118年ぶり史上3人目。投手、野手として3シーズンプレーしたのはボビー・レイス(1935年ブルックリン・ドジャース、1936、38年ボストン・ビーズ)以来83年ぶりだという。米スポーツ局「ESPN」で全米中継された一戦は、リアル二刀流・大谷劇場となった。