“病み上がり1軍”の今永に「申し訳ない」 DeNA、エースに頼らざるを得ない惨状

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】
DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

三浦監督は不振の大貫に喝「弱気な投球が見えた」

■中日 5ー1 DeNA(18日・横浜)

 リーグ最下位に低迷するDeNAは18日、本拠地・横浜スタジアムでの中日戦に1-5で敗れ、2引き分けを挟んで今季3度目の5連敗を喫した。20日には昨年10月に左肩のクリーニング手術を受けて出遅れていたエース・今永昇太投手が先発で今季初登板する予定だが、チーム防御率が12球団で唯一4点台(4.64)の壊滅的な投手陣を立て直せるか――。

 この日は、先発の大貫晋一投手が10安打4失点で4回途中KO。立ち上がりからツーシーム、スプリットが高く浮くところを痛打された。昨季は10勝(6敗)、防御率2.53でチームの勝ち頭となったが、今季は一転、8試合で1勝4敗、防御率6.75の不振。三浦大輔監督は「毎回走者を背負いリズムに乗れなかった。打たれているのは全部ストライクゾーン内の甘いコース」と指摘。不振の要因として「技術的なものも、メンタル的なものもある。弱気な投球が見えたかなと思う」と苦言を呈した。

 前日17日には、2軍調整中のドラフト1位ルーキー・入江大生投手が右肘の張りでリハビリ組に合流。即戦力として期待された右腕も、1軍では4試合0勝4敗、防御率7.85とプロ初勝利が遠い。

 この苦境の中、エース今永の復帰はこの上ない朗報には違いない。今季イースタン・リーグ5試合で3勝1敗、防御率1.32。27回1/3のイニング数を上回る29奪三振をマークしており、1軍復帰の準備は整っているように見える。

 ただ、投手陣にも申し訳ない気持ちもある。昨季まで2年連続の今永に代わって今季開幕投手を務めた浜口遥大投手は「絶対的なピッチャーなので、チーム全体に良い影響が出ると思う」と期待しつつ、「病み上がりの厳しい中での昇格となったことには、僕も責任を感じている」と語った。三浦監督も「存在自体が周りに影響を与えてくれる投手。他の投手にもいい刺激になる」と言うが、起用法については「状態を見ながら」と慎重な姿勢を崩さない。

 浜口は「今永さんの負担を減らせるように、しっかり投手陣を引っ張っていきたい」とも。エースにいきなり重荷を負わせることは、さらに深刻な事態を招く恐れがある。他の投手、とりわけ先発陣の奮起がぜひとも必要だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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