勝利確率1%からエンゼルス大逆転 ヤ軍撃破に指揮官「最もクレイジーな試合」

9回に同点満塁弾を放ったエンゼルスのジャレド・ウォルシュ【写真:AP】
9回に同点満塁弾を放ったエンゼルスのジャレド・ウォルシュ【写真:AP】

初回途中降板の大谷は「立て直そうと努力していた」

■エンゼルス 11ー8 ヤンキース(日本時間1日・ニューヨーク)

 エンゼルスは6月30日(日本時間7月1日)、敵地で行われたヤンキース戦に11-8で大逆転勝ちを収めた。「1番・投手」で出場した大谷翔平投手が大乱調で1回もたずに7失点で降板。4点リードされ敗色濃厚だった9回に一挙7点を挙げての勝利に、就任2年目のジョー・マドン監督は「ここに来てから最もクレイジーで最高の結果の試合だった」と喜びを隠さなかった。

 荒天により2度の中断を挟んだ試合は、最後にどんでん返しが待っていた。4-8で迎えた9回表1死満塁で、ウォルシュがヤンキースの守護神・チャップマンからこの日2本目となる20号満塁弾を放ち同点に。大谷の黒星を消すと、1死一、三塁から代打・レンヒーフォが勝ち越しの2点適時打、ウォードも適時二塁打を放って一挙7点を奪った。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のヤンキース番記者、リンジー・アドラー氏が自身のツイッターで記したところによると、MLB公式データサイト「Baseball Savant」では9回表1死の時点で、ヤンキースの勝利確率が99%だったいうからまさに奇跡の勝利だ。

 痛快な大逆転劇に、レイズやカブスでも指揮を執り、今季監督通算1300勝を記録した67歳の名将も興奮冷めやらぬ様子だった。「みんなが勝利に貢献した。このような勝利は気分が良い。みんなで勝ち取った勝利だ。とても嬉しいよ。明らかに、ここに来てから最もクレイジーで最高の結果の試合だった」と振り返った。

 先発の大谷は5つの四死球を与えるなど大乱調で、打者9人に対して41球を投げたところで降板。両リーグ最多の28本塁打を放っている男が、中飛に倒れた第1打席のみで退く波乱のスタートとなった試合は、2度の中断を挟み、日付を跨ぐ展開になった。

 そんな総力戦を8投手の継投によって制した指揮官は「私はナ・リーグの野球が大好きだ。ア・リーグでは普通こんな試合は見られない。野手全員、ブルペンもほぼ全員が勝利に貢献した。ぎこちない始まり方だったが、ショウヘイはできる限り立て直そうと努力していた。投手も何度か打席に立った。ナ・リーグでは見られることだ。これはナ・リーグの試合だった。投手が打席に立つのが楽しくないなんて言わないでくれ」と語る。

 敵地でのヤンキースとの3連戦を2勝1敗で勝ち越し。マドン監督はその意義を次のように語った。「ここから上昇していきたい。非常にアウェイな環境で良いチームに勝つには何が必要か、選手たちに理解してもらいたい。ここや(レッドソックスの本拠地)フェンウェイ・パーク、他の東海岸の球場で勝つことほど良いことはない。ここでその方法を学び、ホームに戻った時に自分たちがしたことを忘れないようにしてほしい」。この1勝が今季のエンゼルスの分岐点になるか。今後の戦いが注目される。

(Full-Count編集部)

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