覚醒の時を迎えるオリックス高卒4年目野手 コーチ&監督が語る魅力とは
2014年ドラフト2位で入団した宗にブレークの兆し、開幕「1番・中堅」筆頭候補に
オリックスの宗佑磨内野手が好調だ。11日の西武戦(ほっと神戸)では4タコに終わったが、ここまでオープン戦6試合で3本塁打を放つなど開幕スタメンに向け猛アピールが続いている。プロ入り直後から身体能力の高さに定評があったが、度重なるケガに泣き、その実力を発揮することはできなかった。ブレークの兆しを見せるプロ4年目に迫った。
宗は2014年に横浜隼人高からドラフト2位でオリックスに入団。甲子園には出場することはなかったが、走攻守で当時から各球団のスカウト陣からは高い評価を受けていた逸材だ。だが、体の線が細く抜群の身体能力を発揮する“土台”が出来ていなかったため、プロ入り直後からケガとの闘いが待っていた。
2015、16、17年に2軍コーチとして宗を指導してきた下山1軍打撃コーチは「すごい身体能力、潜在能力を持っていましたが、なんせ体ができていなくてケガに弱かった。100の力を出そうとすると、体がついてこない。膝や腰のケガもあって技術練習がほとんどできなかったですから」と当時を語る。
誰もが認める力を持っていても、試合で発揮できなければ意味がない。ましてや、その力に自身の体が耐えることができなかったのだから、なおさらだろう。1年目の教訓を生かし、そこから体作りに専念し、ケガにも負けない土台を作り上げた。
1軍デビューは2016年。だが、わずか3試合の出場で4打数無安打とプロの洗礼を受け初安打はお預けとなった。そして昨季、念願のプロ初安打を放つも10試合の出場で22打数4安打、打率.182と思い描くような結果を残すことはできなかった。それでも昨秋の高知キャンプから、今春の宮崎キャンプで打撃フォームを固め、実戦でもアピールし、1軍帯同を実力で勝ち取った。