2016年MVPとの216億円契約は「奇妙な決断」 “低迷球団”の戦略に米メディア疑問符

ロッキーズと契約したクリス・ブライアント【写真:Getty Images】
ロッキーズと契約したクリス・ブライアント【写真:Getty Images】

アレナド、ストーリーを放出の一方でブライアントと超大型契約

 ロッキーズがジャイアンツからFAになっていた三塁手のクリス・ブライアントと7年総額1億8200万ドル(約216億円)で契約を結んだと米複数メディアが報じている。球団史上、FA選手に対するものとしては、球団史上最高額となる大型契約。ただメディアはこの動きを不可解だとして疑問を呈している。

 昨季まで3年連続でナ・リーグ西地区4位に沈んでいるロッキーズは、昨オフはノーラン・アレナドをカージナルスへトレード、今オフはトレバー・ストーリーがFAとなり、チームの顔を続々と手放してきた。再建へ舵を切ったと見られたところで、なぜか「新しい顔」を巨額契約で連れてきたことになる。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「ロッキーズがクリス・ブライアントで奇妙な決断をした」という記事を掲載している。

 記事はアレナドの放出や、逆に昨年のトレード期限でストーリーを放出しなかったことに触れ「見返りに有望株を得るチャンスを捨てた」としている。そして今回のブライアント獲得を「ロッキーズの現在の体制を考えればほとんど意味がない」と切り捨てている。

 ブライアントはカブス時代の2015年に新人王、2016年には39本塁打、102打点の好成績でナ・リーグMVPを獲得した強打者だ。ただ記事は、それ以降は「リーグ最高の選手というよりも平均以上の選手止まりである」と指摘している。速球を得意とし、変化球の動きづらい高地のデンバーを本拠とすることで好転する可能性があるとはいえ、批判的な論調だ。

 さらに「オーナーたちが選手にお金を費やすことに異議はないが、ロッキーズは自分たちを『より見ごたえのある最下位チーム』にするためにブライアントに巨額を支払うことになる。もしデンバーで勝てるチームを築こうとするなら、守備の名手(アレナド)やセンターラインの選手(ストーリー)、先発投手にフォーカスしたほうがより意味があるのではないか?」とも記した。

 また米スポーツ局「ESPN」のバスター・オルニー記者は自身のツイッターで「1から10の尺度で、ロッキーズのクリス・ブライアントとの契約についての業界のショックは11にまで上がった」とその不可思議さを表現している。

(Full-Count編集部)

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