大谷翔平、本格派右腕から“脱皮”「わざとやってます」 お疲れ20連戦で見せた進化

レイズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
レイズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

投球フォームで緩急、スライダーでは肘を下げて投球

■レイズ 4ー2 エンゼルス(日本時間12日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)、本拠地・レイズ戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場したが、今季4勝目はならなかった。剛腕・マクラナハンとの投げ合いで6回5奪三振2安打1失点と試合を作ったが、勝ち星をつかめず。打撃では4打数1安打1盗塁で通算100号はお預けとなった。

 さすがの大谷さんも“お疲れ”だった。6回先頭、フランコへの2球目フォーシームは93.3マイル(約150.2キロ)。そこからは変化球勝負に切り替え、フランコ、崔志萬、アロザレーナへの11球は全て変化球でイニングを投げ切った。「あんまり(フォーシームが)行かなそうな雰囲気があったので、打者の反応を見ながら。カーブも良かったですし、そっちの方が抑えられるかなと思っていきました」。92球の粘投を振り返った。

 4月22日(同23日)の本拠地・オリオールズ戦から始まった20連戦。東海岸ボストン遠征もあり、総移動距離は8300キロにも及ぶ。5日(同6日)の敵地・レッドソックス戦は前日の延長戦14時間後にリアル二刀流という“超強行軍”。7回11奪三振無失点と圧倒したが、その反動がゼロではなかったようだ。「身体的にもフレッシュな状態ではない。踏ん張りどころかなと思いながら投げていました」は間違いなく本音だろう。

 ただ、そんな悪条件でも結果を出せるのが今の大谷だ。火の玉ストレートの藤川球児氏からの「投球フォームで緩急をつけている」との問いかけには「どういうのが打者が嫌なのか。ランナーがいなくてもクイックを使ったりしながら。工夫しながらやりたいと思っています」と打ち明けた。その他にも今季中は「わざとやってます」とスライダーを曲げるべく、あえて肘を下げて投げたり……。160キロ超の剛速球とスプリットで真っ向勝負する本格派を通してきた印象だが、昨季後半戦あたりから技巧派の一面をのぞかせている。

 チームは20連戦最終戦で敗れたものの、この大型連戦を13勝7敗と勝ち星を重ねた。地区2位のアストロズが8連勝中と勢いが止まりそうにないが、今年のエンゼルスは「なおエ」を払拭。何より勝利を求める大谷のカンフル剤となるだろう。ただ、長丁場のシーズンだ。痛みや故障について、大谷は「心配はないですね」と言い切ったが、今後もコンディション管理が最大の敵となる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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