西武、この強さは本物 終盤8回、0-8からの大逆転でド派手すぎる連敗脱出劇
劇的サヨナラ打の森も「途中、負けたと思ってたけど…」
ド派手すぎる連敗脱出劇だ。パ・リーグ首位の埼玉西武が18日、北海道日本ハム戦で終盤に8点差をひっくり返し逆転勝ちした。
振り抜いた瞬間に、勝利が決まった。1点ビハインドの9回無死満塁、5番・森が相手の抑え・石川直から右中間へサヨナラ2点適時二塁打。前進守備だった相手の陣形に対し「かち上げようと思った」と気合いの一撃。サヨナラを決めると、ナインから手荒いウォーターシャワーを受けた。「もっともっと(水を)くれても良かった」と、最高の一打に笑顔もはじけた。
サヨナラがおまけに見えるほど、8回の攻撃がすべてだった。8点差の8回1死満塁、主砲の山川が押し出し四球で1点を返すと、森も押し出し四球、さらに外崎、栗山の連続適時打で一気に6点を奪った。さらに中村もつなぎ、金子侑選手の二ゴロで1点差。「途中、負けたと思ってたけど」と、森も振り返ったように、敗色濃厚の終盤にメットライフドームのボルテージを最高潮に上げた。
9回、まだビハインドの状況だったが、勢いは完全に埼玉西武だった。先頭の源田が左前打で出塁し、浅村選手が右前打で一、三塁。ここで山川の四球も大きかった。無死満塁。自身2度目のサヨナラ打を決めた森がお立ち台に上がったが、辻監督は「誰がどうとか言えません」とナインをほめたたえ「まさかというのが一言」と、大逆転勝利に驚きを隠せなかった。
15日の楽天戦で12失点の大敗を喫し、17日も敗戦。この日の試合中に福岡ソフトバンクが5連勝を決め、負ければ1ゲーム差に迫られる状況だった。今季のスタートダッシュを象徴するような打線の爆発で、嫌な雰囲気を一瞬で吹き飛ばした。「今日の1勝は大きいです。こういう試合ができるということが、彼らにとっても自信になる」と、辻監督はうなずいた。
勢いを生んでいる若い力。その中で勝負を焦らず、四球でつなぐ山川の働きも非常に大きく、ベテラン・栗山の一打も光った。まさに全員野球。「これを機にどんどん勢いに乗っていきたいと思います」とヒーローインタビューの森。この強さは本物だ。