西武助っ人の値千金弾呼んだ“キングの助言” 4打席4三振から一晩で進化したワケ

西武のブライアン・オグレディ【写真:荒川祐史】
西武のブライアン・オグレディ【写真:荒川祐史】

山川穂高の与えたヒント「来る球は毎打席違う、ブレずに同じ気持ちで」

■西武 10ー5 DeNA(28日・交流戦・ベルーナドーム)

 西武は28日、本拠地ベルーナドームで行われたDeNA戦で、新助っ人のブライアン・オグレディ外野手が3回の第1打席に先制4号2ランを放ち、結局10-5で大勝した。オグレディは前日(27日)の同カードに「2番・左翼」で出場して4打席4三振を喫し、この日は打順を「7番」に下げていたが、1日で変貌を遂げた。

 DeNA先発の上茶谷に対し、2回1死一塁で打席に入ったオグレディはカウント2-2からの6球目、真ん中付近に来た145キロのストレートを逃さず右翼席へ運んだ。「昨日、インコースをうまく攻められて打ち取られているからね。今日もどこかで必ず内角を攻めてくると思っていた」とコメントを残した。

 前日は大貫に対し、第1、第2打席はスプリットを振らされ空振り三振。第3、第4打席はいずれも内角低めのストレートに見送り三振に倒れていた。一夜明けたこの日は、前日の反省を生かし、カウント1-2からの5球目に、内角低めのボールゾーンへ落ちるカットボールに手を出さなかったことが、次の6球目に甘いボールを誘い込むことにつながった。

 試合前の練習中には、主砲の山川と言葉を交わす一幕があった。山川が「彼は昨日4つ三振をしましたが、今日は相手投手が替わりますし、いい日になるでしょう、と話しました。僕自身もそうですが、毎日試合があるプロ野球選手にとって、打てなかった後の心の切り替えは難しい。相手は毎日替わり、来る球は毎打席違うから、ブレずに同じ気持ちでいることが大事だ、という話をしました」と明かしている。来日1年目の助っ人にとって、チームメートの心遣いは身に染みたことだろう。

 妻の出産に立ち会うため、今月11日にチームを離れ一時帰国。今月24日に1軍復帰したばかりだ。無事に第1子の長女が誕生し、先制弾を放ってベンチに戻って来ると、ナインに“揺りかごポーズ”で迎えられた。本塁打は4月27日のソフトバンク戦以来約1か月ぶりで、28日現在の打率は.252。昨年はパドレスでダルビッシュとともにプレーし、パワーと性格の良さに太鼓判を押された男の本領発揮は、まだまだこれからだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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