「流れに直結していく」 侍J栗山監督、学生野球視察で感じた短期決戦の難しさ

侍ジャパンの栗山英樹監督【写真:小林靖】
侍ジャパンの栗山英樹監督【写真:小林靖】

WBCと同じ短期決戦の全日本大学野球選手権を視察

 侍ジャパンの栗山英樹監督が11日、神宮球場行われた全日本大学野球選手権大会・準決勝2試合を視察した。来年3月に控えたWBCと同じ短期決戦。「何試合か中継でも見させてもらいながら、タイブレークの戦い方とか、自分だったらどうするのかなと思いながら見ていました。自分の中ではいい時間でした」と振り返った。

 トーナメント制で行われている大学選手権からは、一発勝負の怖さや継投の難しさを感じたという。指揮を執るWBCでの戦い方と重ねながら、バックネット裏から見つめた。

「1つの作戦をとっても、すべてがすべて野球って上手くいかない。そういうのが流れに直結していく。短期決戦になるとこんな戦いになるんだろうなというのは凄く感じました」

 1試合目の上武大-佛教大の試合は継投が勝負の分かれ目に。上武大は2番手投手が無失点も、佛教大は2番手投手が4失点し、敗れる結果となった。「自分だったら、WBCで0-0という時に、どう決断するのか。1つ1つの決断が重くなってくるし、だんだん追い込まれるのが怖いなと思って見ていました」。継投の難しさを改めて感じていた。

 投手の起用法については「シーズンでこう戦ってきたから、というのを変えないといけないと個人的には思っています」。先発投手のリリーフ起用にも言及した。

 国際大会では、初めて対戦する投手を攻略しないといけないことも多い。情報が限られる中で、「(頭に)いれなきゃいけない情報と、いれちゃいけない情報の整理をしないといけない」。データを伝えすぎても選手が戸惑ってしまうため、情報の精査の必要性も感じたという。

 春の選抜高校野球や、各大学のリーグ戦も積極的に視察してきた栗山監督。NPBの監督時代とは“違う戦い方”を学生野球から学び、世界での戦いに生かしていく。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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