“後ろ”への依存はリスク大!? 救援投手陣に最も余力を残す球団はどこ?

優秀ゆえに稼働を求められるDeNA救援投手陣

 ペナントレースにおいて、コンディショニングがチーム状態に与える影響は大きい。特に管理が難しく、シーズンの行方を左右することが多いのが救援投手陣のコンディションだろう。今回はこの救援投手陣に関する5月末までの記録から、状況をつかみ今後に与える影響を考えてみたい。

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救援陣の登板状況その1 救援投手陣の防御率・FIPと、登板イニング(5月31時点)

 最初の図は救援投手陣の防御率とFIP(Fielding Independent Pitching)と、登板イニングのグラフだ。

 FIPとは投手が記録した奪三振・与四球・被本塁打の数字を使って算出する、守備力・運(巡り合わせ。効率的に得点を奪われたか、そうでないか……など)が同水準の環境で各チームの投手が残すと推定される防御率だ。

「防御率が悪くFIPが良い」という形で差が見られるのであれば、投手陣のパフォーマンスは防御率ほど悪くはない、つまり守備や巡り合わせの影響で失点がかさんだ可能性がある。逆に「防御率が良くFIPが悪い」という形で差が出ていれば、防御率は守備や巡り合わせの影響で低く抑えられた可能性がある。

 救援投手陣のパフォーマンスに対し、防御率がついてきていないのは阪神、中日、ロッテなど。逆に防御率が投手陣のパフォーマンスよりも良く出ている様子なのが巨人、ヤクルトなど。それ以外のチームは、防御率はおおむね投手のパフォーマンスを表しているようだ。

 DeNAの救援投手陣の防御率は2.94でセ・リーグ3位、FIPの数字も2.74でリーグトップと良い数字だ。救援投手陣は躍進の立役者として挙げられることが多いが、データからもそれは確かめられる。コンディションを保てれば、成績が下降しにくい救援投手陣だと評価できる。

 登板イニングについては、最少がセの広島、最多がパのオリックス。共に序盤苦しんだチームだが、救援投手の起用の仕方は対照的だ。広島は先発投手に、オリックスは救援投手に試合を託し勝利を拾おうとしてきた、ややアンバランスな状況がうかがえる。

 首位を争うDeNAと巨人の差も気になるところだ。DeNAの救援投手陣は巨人よりも少し多いイニングを投げており、救援投手陣にかかる負荷に差が出ている。

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