二刀流・大谷翔平はWBCで見られるか? 難しい投手調整も…世界一奪回への起用法は

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

3月の真剣勝負…投手・大谷には急ピッチの調整が求められる

 2023年3月のマイアミ。侍ジャパンの大谷翔平が「エース&4番」として、トラウト率いる米国代表と対峙する――。「WBCに出たい気持ちはもちろんあります。(球団も)快く引き受けてくれるんじゃないかなと思います」との発言で、侍ジャパン・大谷が一気に前進した印象を持つが、肝心の“二刀流侍”の実現は決して簡単なことではない。3月の真剣勝負。打者・大谷は大きな問題はないだろうが、投手・大谷にはまだ「?」が付く。

 WBCが開催される3月は例年オープン戦の真っ最中。大谷のような先発投手は開幕へ向けて球数を上げていく段階で、多くの大物投手が国際大会の参戦を見送っているのは、この準備期間の短さがネックとなっている。労使交渉の難航でキャンプインが1か月遅れた今春、大谷はオープン戦2試合登板、計5回2/3で開幕二刀流に臨んだ。メジャー移籍後は他の先発投手に比べて少ない登板機会、少ない球数で仕上げているとはいえ、さらに急ピッチな調整が求められる。

 侍ジャパンを率いる栗山英樹監督は二刀流の育ての親。NPB時代、エルボーガードをせずに打席に立った大谷に雷を落とすなど、故障のリスクにも常に細心の注意を払っていた。大谷も「自分を理解してくれる方の監督というのは、やりやすいかなと思います。より一緒に頑張りたいなという気持ちにもちろんなると思う」と絶大な信頼を寄せている。送り出す側の球団が最も気にする「大会期間中の故障」に関しては、最大の理解者とも言える栗山監督の存在は心強い限りだが……。

 先発投手が降板後も指名打者として出場を続けられるルールは国際大会でも導入される見込みだ。通称「大谷ルール」と呼ばれる新ルールを、侍ジャパンも使わない手はない。やはり世界一奪回へは大谷を先発投手&指名打者で起用するのが一番スムーズで強力なピースとなるだろう。

 栗山監督は8月上旬から日本人メジャーリーガー視察のために渡米する予定。大谷はいつチームに合流するのか、そして起用法はどうなるのか。ペリー・ミナシアンGMら球団側との意見交換、擦り合わせが大きなポイントとなる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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