“最後の近鉄戦士”坂口智隆が引退会見 20年のプロ生活に幕「苦しくても野球が好き」

ヤクルト・坂口智隆【写真:荒川祐史】
ヤクルト・坂口智隆【写真:荒川祐史】

度重なる怪我に「好きなことでお金を稼ぐことがこんなに苦しいものなんだと」

 ヤクルトは30日、公式ホームページで坂口智隆外野手が引退会見を行ったことを発表した。坂口は2002年ドラフト1巡目で神戸国際大付高から当時の近鉄に入団。2004年オフのオリックスとの球団合併で消滅した近鉄に在籍経験のある選手としては、NPB最後の現役だった。会見では「苦しくても、やっぱり、野球が好きという気持ちはなくならなかったです」と振り返った。

 坂口は1年目から1軍の試合に出場、合併によるオリックス移籍を経て6年目の2008年に中堅のレギュラーポジションを獲得し、142試合に出場し打率.278。同年オリックスが初のクライマックスシリーズ進出を果たす原動力となった。その後出番の減った2015年オフに自由契約となって移籍を選択、ヤクルト入りした。

 ヤクルトでは移籍1年目の2016年に141試合で打率.295をマークし復活。2018年には一塁守備にも挑戦し打率.317を残している。近年は出場機会が減り、チームが日本一に輝いた昨季は25試合、今季も23試合出場にとどまっていた。2020年オフ、近鉄とヤクルトでチームメートだった近藤一樹投手が退団し、四国アイランドリーグplusの香川へ。坂口はNPBで近鉄に在籍経験のある選手として最後の1人になっていた。

 1軍通算1544試合に出場し1525安打、打率.278、38本塁打、418打点、85盗塁。2008年から4年連続で外野手部門のゴールデングラブ賞に輝いている。

 会見では家族、仲間、ファン、トレーナーや怪我の治療をしてくれた人たち、球団スタッフへの感謝を伝えた。度重なる怪我もあり、「好きなことでお金を稼ぐことがこんなに苦しいものなんだと思いました。ただ、苦しくても、やっぱり、野球が好きという気持ちはなくならなかったです」と20年のプロ生活を振り返った。

(Full-Count編集部)

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