引退捕手の最終打席に米感動 本人思わず大爆笑の「こんな筋書き考えつかない」

現役最後の試合で本塁打を放ったアスレチックスのスティーブン・ボート【写真:ロイター】
現役最後の試合で本塁打を放ったアスレチックスのスティーブン・ボート【写真:ロイター】

アスレチックスのボートが「ただ楽しもうと」した現役最終打席で…

■アスレチックス 3ー2 エンゼルス(日本時間6日・オークランド)

 現役引退を決めた選手の最終打席、打率1割台の選手に、まさかの本塁打が飛び出したら……。そんな感動的な“おとぎ話”を実演してみせた選手に感動の声が集まっている。アスレチックスのスティーブン・ボート捕手は9月に今季限りの引退を宣言し、10月5日(日本時間6日)のエンゼルスとの最終戦に「5番・捕手」で先発出場。7回の打席で本塁打を放ち、次の回から退いた。メジャー最終打席で本塁打を放った選手となった。

 左打席からの打球が右翼ポール際に消え、一塁を回ったボートは笑いが止まらない。笑みを浮かべたままダイヤモンドを一周、本塁に生還するとチームメートの手荒な祝福を受けた。実況席も思わず「はっはっは~」と大笑いだ。ボートの今季成績はこれでようやく打率.161となった。

 アスレチックスの地元放送局「NBCスポーツ カリフォルニア」は、公式ツイッターで試合後のボートの声を紹介した。ダイヤモンドを回っている時の気持ちを、とマイクを出されたボートは「メジャーリーグの球場では、本当にこれが最後のプレーになると知りながら、打席に向かうときは……ただ楽しもうと考えた。打つ準備をして、遠くへ運べる球が打ちごろに来ることを願った。そしてその球が来て、打った」と笑った。

 さらに「なんと美しい日だ、これ以上の興奮と喜びはない。私と家族のために色々お膳立てをしてくれた。いやあ……。なんという日、なんという試合だっただろう。7回まで無失点の試合で捕手を務めて、最後の打席でホームランも打つなんて。こんな筋書き、考えつかないよ」と続け、興奮冷めやらぬ様子だ。ボートは2012年にレイズでメジャーデビューし12年目。通算794試合で打率.239を残した。

 エンゼルスのフィル・ネビン監督も、自ら「スティーブン・ボートを祝福する。素晴らしいキャリア、素晴らしい人間の何とも見事なエンディングだった。彼を祝福したい」と口にしたほど感動的な場面。球場はなんとも温かい空気に包まれた。

【実際の動画】まるでおとぎ話? できすぎストーリーに笑いが止まらない…本塁打を放ったボートの現役最終打席

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