335億円野手の代役に9人投入も失敗… エ軍低迷の根本的要因を番記者指摘

エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:ロイター】
エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:ロイター】

致命的な層の薄さ…レンドンに変わる三塁手9人試すも5人がリリース

 エンゼルスはなぜ勝てないのか――。地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」のジェフ・フレッチャー記者は、その原因として選手育成システムの崩壊を挙げ「核となる問題は、彼らのファームシステムが10年以上にわたり球界で最悪の1つであること」などと問題を指摘している。

 エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは、「現在の球界では、下から這い上がってきた球団内部からの才能なしでは、フィールドに常に競争力の高い選手を置くことは非常に難しい」と語っている。ミナシアンの前任者、ジェリー・ディポト(現マリナーズGM)とビリー・エプラー(現メッツGM)は、その基盤となるファームシステムを十分に向上することができなかった。

 ファームシステムの層が薄いため、メジャーのレギュラークラスが怪我をしたり、不振に陥ると「致命的(な問題)になる可能性が高い」という。セーフティネットとなるはずのマイナーリーグに代わりとなる選手がいないからだ。例えば、エンゼルスは昨年、負傷したアンソニー・レンドンに代わる三塁手を9人試したが、うち5人がすでにリリースされたという。

 今年エンゼルスでスペシャルアシスタントを辞任するまで55年間、野球界で過ごしたマルセル・ラケマン氏は「野球において、最高の価値を得るためには、自分たちの手で選手を育成することだ。それは間違いない」、またエンゼルスの元幹部は「(選手育成問題の)発端は、アート(・モレノオーナー)がその分野に大きな投資をしたくないということから始まった」「アートは華やかなフリーエージェントと契約するというアイデアにどんどん心酔していった」と語っている。

「ベースボール・アメリカ」のプレシーズンのランキングで、エンゼルスのファームシステムは、2013年から17年までの5年間のうち4度最下位に沈んでいる。ではなぜ“転落”していったのか。「エンゼルスが21世紀の最初の10年で成功を収めたとき、彼らはラテンアメリカから才能豊かな選手たちを継続的に獲得してきた」と同記者。右腕のラモン・オルティズ(1995年契約)、右腕のアービン・サンタナ(2000年)、遊撃手のエリック・アイバー(2002年)、一塁手のケンドリス・モラレス(2005年)といった選手らが力を発揮した。

中南米から“撤退”で「投資しないことを選んだことが主な原因」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY