「松坂選手にもオファーをしました」―四国IL高知・梶田社長が抱く思い
「チームの“顔”になれれば」観客と積極的に交流
四国アイランドリーグplus、そして独立リーグでも唯一の「10年選手」だった梶田宙選手は、2014年に引退し、2015年から株式会社高知ファイティングドッグス球団の社長に就任した。当時、これはサプライズ人事として話題となった。
ビジネスマンとしての経験は一切なかった。32歳にして初めてスーツに袖を通し、企業や自治体に赴くことになった。
「基本を知らなかったので、一から学びました。人との接し方、営業の仕方、アポイントの取り方、名刺の渡し方、挨拶の仕方、何もかもが初めての体験でした。ありがたいことに、選手時代に高知県各地でプレーをしていたので、名前や顔を知ってくださっている人が多かったんです。そういうところは最初から得でしたが、それでも大変でした。
広い高知県内をスポンサーを訪ねて、隅々まで廻りました。高知という土地は、宴席が人の輪をつなげてくれます。会議や打ち合わせだけではなく、アフターの宴席でお酒を酌み交わしたことで、多くの方々と親しくなりました。お酒は強くないので大変でしたが、少しでもお酒をかわしたら、大事にしていただける。そういう土地柄なんですね」
試合がある時は、梶田社長は入場口で観客を迎える。常連客には気さくに話しかけ、試合中はグッズ投げ入れなどのイベントを行う。また、観客に対してマイクを握って挨拶をする。入団から14年目。誰よりもチームをよく知る存在だ。
「試合の運営などは事業部長に任せています。私は場内を見回ったり、お客さんに声をかけたりします。チームの”顔”になれればベストですね」