侍Jの正捕手争いどうなる? 固定か使い分けか、伯仲の三つ巴…首脳陣の構想は
ダルビッシュが中村に感謝「普段の僕とは違うことをやらせてくれた」
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンの中村悠平捕手(ヤクルト)は、26日に行われたダルビッシュ有投手(パドレス)の実戦形式の「ライブBP」で、初めてチーム最年長右腕とバッテリーを組んだ。その後に行われたソフトバンクとの壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023」では、スタメンマスクをかぶった。ソフトバンク・甲斐拓也捕手、巨人・大城卓三捕手との出場機会を巡る三つ巴の争いは、今のところ予断を許さない。
ダルビッシュはこの日のライブBPで、打者のべ10人に対し計32球を投げた。前半の3人に対する14球は甲斐、後半の7人、18球は中村が受けた。ダルビッシュは終了後、中村について「カーブのサインを出してくれたり、右打者に対してスプリットを要求してくれたりと、普段の僕とは違うことをやらせてくれた。僕の場合、自分主体でやっていると、自分の好きなことしかやらず、上達できないことがある。今日はいいライブBPになりました」と感謝を口にした。
これを聞いた中村は「単純にすごくうれしいですね」と口元を綻ばせる。17日から行われている侍ジャパンの宮崎キャンプで、中村はそれまでブルペンでもダルビッシュの球を受けたことがなかった。「軌道を確認しながら、どういう球なのかを見てみたくて、いろいろな球種を要求させていただきました。持っているものがたくさんあるのだから、使わなければもったいないという思いもありました。それがダルビッシュさんにとって新鮮な形になったのなら良かった」とうなずいた。
侍ジャパンにとって直近の国際大会である2021年の東京五輪では、甲斐が全5試合でマスクをかぶり(うち4試合がスタメン)、絶対的な正捕手だったが、今回のWBCではそうとも限らない。村田善則バッテリーコーチは「栗山(英樹)監督からは、3人のうち誰がスタメンでいっても大丈夫なように調整させておいてくれと、リクエストされています。WBC本番まで強化試合を重ねていく中で、1人に決まっていくのか、それとも3人で知恵を出し合い、使い分けながら戦っていくのか。全く決まっていないというのが正直なところです」と語る。