鈴木誠也が痛めた脇腹は「やっかいな怪我」 評論家が推す代役候補「打撃は遜色ない」
鈴木誠也は左脇腹の違和感で26日のオープン戦を欠場した
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンは26日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎でソフトバンクとの壮行試合「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2023」に臨み、4-2で逆転勝ちを収めた。本戦に向け順調に調整を進める中、主軸候補の鈴木誠也外野手(カブス)が左脇腹の張りでオープン戦を欠場。野球評論家の新井宏昌氏は「日本球界で右の外野手は不足している。離脱となれば大きな痛手」と心配の声を口にする。
鈴木は25日(日本時間26日)、ジャイアンツとのオープン戦に「4番・右翼」で出場予定だった。しかし、左脇腹の張りを訴えたため先発メンバーから急きょ外れた。当初は3月上旬に合流予定となっていたが、負傷箇所の状態次第では離脱する可能性もある。
脇腹痛は治るまでに時間がかかり治療も難しいとされ、“厄介な怪我”としても知られる。現役時代に同じ箇所を痛めたことがある新井氏は「脇腹はどうすることもできない箇所。打つ、投げるの動作ができない。実際にどの程度なのか分かりませんが、全力でバットが振れない状況なら今大会は厳しいかもしれません」と、口にする。
侍ジャパンの外野布陣は左翼に吉田正尚(レッドソックス)、中堅にラーズ・ヌートバー(カージナルス)、右翼に鈴木の“メジャー組”のスタメンが濃厚と見られていた。仮に鈴木が離脱となれば近藤健介(ソフトバンク)、岡本和真(巨人)らが候補になる。「予備メンバーとの入れ替えはあるかもしれないが、総合的に考えれば近藤が第一候補。ディフェンス面や長打の部分では(鈴木に)劣るかもしれないが、走者を置いての打撃は遜色ない」と期待を込める。
鈴木の負傷で改めて浮き彫りになったのが日本球界の“右の外野不足”だ。外野を本職とする右打ち外野手で昨季好成績を残したのは、首位打者の日本ハム・松本剛(打率.347、3本塁打44打点)、ヤクルト・塩見泰隆(打率.276、16本塁打54打点)ら少数だ。
今大会の外野手登録は5人で、鈴木以外は全員が左打者だった。新井氏は左右を苦にしない打者が多く、そこまで気にする必要はないと言うが「日本球界には右の外野手が人材不足と言えるかもしれません」と指摘していた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)