“バレバレの癖”に侍ナイン大笑い 米国との準決勝直前…緊迫感打ち消した衝撃情報

2009年のWBC準決勝で米国を破った侍ジャパン【写真:Getty Images】
2009年のWBC準決勝で米国を破った侍ジャパン【写真:Getty Images】

2009年WBC準決勝、米国先発右腕の“癖”を侍Jは掴んでいた

 2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝で原辰徳監督率いる侍ジャパンは米国代表に9-4で勝利した。優勝した2006年第1回大会では第2ラウンドで敗れており、これが記念すべき同大会での初めての米国戦勝利となった。もっとも、チーフスコアラーだった三井康浩氏にとっては相手先発のロイ・オズワルトの癖が完全にわかっていたため“余裕”の白星。選手たちもミーティングでそれを知って一気に「いける」ムードになっていたという。

 右腕オズワルトは当時アストロズに所属。2004年に20勝をマークして最多勝、2006年には2.98で最優秀防御率のタイトルも獲得し、2008年も17勝10敗の成績を残していた。その数字を見ても、いかにも大変な相手とわかる。三井氏のところにも「メジャーに行っていた選手が『オズワルトをどうするんだ、どうするんだ』って言ってきましたよ」という。だが、この件に関しては全く心配していなかった。

「今日のミーティングは笑っちゃうよ、みたいな感じでミーティングを始めました。絶対大丈夫だからって。バレバレの癖があるからってね」。そして三井氏はビデオを流して説明した。「そしたら、みんな大笑いするんですよ。ドッカーンですよ。ホント大笑い」。それほどの大反響だった。「嘘でしょっていうから、嘘じゃないよってね」。メジャー組の選手には「だいたい一緒にやって、こんな簡単な癖もわかってないのって言いました。それくらいひどい癖だったんです」。

 これも念入りな映像解析の成果だ。「セットに入った時点。グラブに手が入った時点で分かってましたから、もうめちゃくちゃおいしかったです。握りで分かるんでね。グラブから手が出る。右手でボールを握っていて、右手の甲の部分の見え方が真っ直ぐとカーブでは全然変わっていたんです。その映像をみんな見て、嘘でしょ、嘘だあっていうから、いやホントだよって。一応、試合でも確認しようとなったんだけど、みんながOKOKと言っていた」。

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