“外野争い”と言われることに「いらついている」 開幕3戦で存在感…抜け出した25歳
愛斗「打てば、使わざるをえない状況を自分でつくれる」
■西武 4ー1 オリックス(2日・ベルーナドーム)
ここ数年レギュラー不在の状況が続いていた西武の外野陣で、若手から中堅に差し掛かろうとしている2人の選手が目の色を変えている。8年目25歳の愛斗外野手は開幕から3試合でチームトップの打率.417(12打数5安打)1本塁打をマーク。7年目24歳の鈴木将平外野手は2日のオリックス戦(ベルーナドーム)の8回に決勝2点三塁打を放ち、就任1年目の松井稼頭央監督へ初白星を捧げた。
愛斗は、ファンの間では栄養ドリンクのCMにちなんだ「アイト・一発」がキャッチフレーズとして浸透しているが、今年は例年にも増して気合が凄い。「どんな時でも、どんな打席でも気を抜かない。全部ヒットにしたる、いうくらいの気持ちで打席に立っています」と語る通りのプレーが続いている。
「ずっと外野争いと言われることに、いらついています。今年は細かい数字は決めていませんが、圧倒的な結果を残すことが目標です」と言い切る。年々出場試合数を増やし、昨年は初めて100試合を突破(121試合)。打率.243、9本塁打をマークした。393打席に立ったが、それでも規定打席の443打席にはまだ遠く、レギュラーの座を固めたとは言えない。「守備と走塁に関しては、1軍の誰にも負けていないと思っています。あとは打つことでチームに貢献できれば、使わざるをえない状況を自分でつくれると思うんですよ」と目をらんらんと光らせる。
昨年の5月から、バットを一握り短く持っている。今のプロ野球でこれほど短くバットを持つ選手は、なかなか見当たらない。「それまではグリップエンドに小指をかけていました。いい感じかどうかは、どうでも良い。圧倒的に結果を残すことが大事。こうしてみて結果が出ているので続けています」と説明する。
177センチ、92キロの体形から受けるイメージと違い、足が速く守備範囲も広い。2日のオリックス戦では、今年のチームスローガンである「走魂(そうこん)」を体現するようなシーンがあった。両チーム無得点で迎えた5回2死二塁で二塁走者だった愛斗は、打者・児玉亮涼内野手の初球に三盗成功。結果的には児玉が中飛に倒れ、得点にはつながらなかったが、松井監督は「グリーンライトにして、全選手に行けるなら行っていいと伝えています」とうなずいた。