球場包む“40秒”の拍手 がん克服した守護神「人生最大の戦い」の先にあった喝采の夜

エンゼルス戦に4番手で登板したWソックスのリアム・ヘンドリックス【写真:Getty Images】
エンゼルス戦に4番手で登板したWソックスのリアム・ヘンドリックス【写真:Getty Images】

ヘンドリックスの復活マウンドに、米実況が声を震わせ「瞬間はとても重要」

■エンゼルス 6ー4 Wソックス(日本時間30日・シカゴ)

 ホワイトソックスのリアム・ヘンドリックス投手が29日(日本時間30日)、本拠地で行われたエンゼルス戦で復活の登板を果たした。ヘンドリックスは悪性リンパ腫の一種である非ホジキンリンパ腫と診断されたと、今年1月に自身のインスタグラムで公表。この日、マウンドに上がると球場全体から拍手を受けた。ホワイトソックス放送局「NBCスポーツ・シカゴ」の実況も「おかえりなさい」と温かい言葉を届けた。

 ヘンドリックスは2021年にア・リーグ最多の38セーブをマークするなど、メジャー通算115セーブを誇る右腕。闘病生活を終え、再びマウンドに戻るとスタジアム全体がスタンディングオベーションで迎えた。

 この光景に同局の実況を務めるジェイソン・べネッティ氏は「ファンの中には涙を浮かべている人もいます。ヘンドリックスは言いました。2021年と2022年は体の中に癌がありながら投げていたかもしれないと。奥様のクリスティさんは今、胸がいっぱいでしょうね。おかえりなさい」と復活のマウンドを歓迎した。

 解説を務めるスティーブ・ストーン氏は「彼は人生最大の戦いにすでに勝っています」と褒め称えると「(先頭打者の)サイスが打席に入っていないのがいいですね。リアムがふさわしいすべての賞賛を受けられるように」とおよそ40秒間続いた拍手の“歓迎”に鳥肌が立った。

 ヘンドリックスは、1点ビハインドの8回を1回3安打2失点。それでも、マウンドを降りる際は大きな歓声を受けた。実況のベネッティ氏は実況は「『私は今癌と闘っている、勇気をありがとうリアム』と書いたプラカードを持った人がいました。だからこそ。この瞬間はとても重要なんです」と声を震わせた。

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