329億円右腕の狂った歯車 3年半でたった8登板…キャリア暗転で遠ざかる“最高の称号”

レンジャーズのデグロム、レッドソックスで活躍したペドロイア、ナショナルズのストラスバーグ(左から)【写真:ロイター、Getty Images】
レンジャーズのデグロム、レッドソックスで活躍したペドロイア、ナショナルズのストラスバーグ(左から)【写真:ロイター、Getty Images】

米メディアが「故障で殿堂入りを逃しそうな選手」を特集

 大きな故障もなく華やかなキャリアを過ごし野球殿堂入りを果たす選手がいる一方、相応しい実績がありながらも怪我に泣き、殿堂に名を連ねられない選手もいる。最近でいえば、サイ・ヤング賞を2度受賞しながらキャリア2度目の肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けることになった、レンジャーズのジェイコブ・デグロム投手が“悲運”に見舞われてしまうかもしれない。

 そんな殿堂入りへ“後退”してしまったデグロムに関連し、米メディア「CBSスポーツ」が「殿堂入りにふさわしいキャリアを怪我でふいにしたMLB選手」というテーマで、故障さえなければ既に殿堂入りしている、または将来的に殿堂入り確実となっていたはずの選手20人を特集している。

 例えば、レッドソックス一筋で活躍したダスティン・ペドロイア内野手。2006年にメジャーデビューし、2008年にはシーズン213安打を放ちMVP。2007年、2013年のワールドシリーズ制覇に貢献し、二塁手としてゴールドグラブ賞を4度獲得した。

 しかし、2017年にマニー・マチャド内野手(オリオールズ)からスライディングを受けて左膝を負傷して以降は手術を繰り返し、2021年に無念の引退。記事では「年間105試合以上出場がたった8シーズン。彼の殿堂入りは真面目な話、怪しいと思う。(入れなかった場合の理由は)彼が直面した、嫌になるほどの怪我の数々のせいにできる」と、その不運ぶりを記している。

 現役では、ナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ投手だ。2009年ドラフト1巡目(全体1位)でナショナルズ入りした剛腕は、2010年にメジャーデビュー。2019年には18勝をマークし、ワールドシリーズでもMVPと世界一の立役者となった。しかし、そのオフに7年総額2億4500万ドル(約329億円)で再契約して以降は一転、腕や肩などの故障に苦しみ、登板数はわずか8試合にとどまっている。

「彼については今更おさらいする必要もないだろう」と記事では右腕に言及し、「彼ほどの才能を持っていながら、MLBキャリアが終わってしまう可能性がある」と嘆いている。デグロムも然り、ストラスバーグもまた復活を遂げ、殿堂入りの栄誉へと近づくことはできるだろうか。

(Full-Count編集部)

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