3安打でも質問ゼロ 歴史的躍動の翌日…監督会見で感じた大谷翔平への“高すぎる期待”

Wソックス戦で3安打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
Wソックス戦で3安打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷翔平が1試合3安打も指揮官への質問なし

■Wソックス 11ー5 エンゼルス(日本時間29日・アナハイム)

 話題にすら上がらなかったことが、高すぎるハードルを示していた。エンゼルスの大谷翔平投手は28日(日本時間29日)の本拠地ホワイトソックス戦で、今季10度目の1試合3安打を記録した。2試合連続の3安打で打率は.309まで上昇。それにもかかわらず、フィル・ネビン監督は大谷への言及はゼロ。報道陣から質問が飛ぶこともなかった。

 連日の大活躍だった。初回1死の第1打席ではジオリトから右翼線へ三塁打を放ち、前日から6打席連続出塁を記録した。その後、2打席は三振に倒れたが、6回先頭の第4打席で投手の顔付近を通過する痛烈な中前打。さらに9回2死の第5打席でも二塁への内野安打を放った。

“猛打賞”の大活躍。しかし、試合後の監督の会見では一切大谷について言及はなかった。報道陣もまるで当たり前のように大谷に関する質問はなし。それもそのはず、前日27日(同28日)の試合で、記者やファンの期待はかなり上がっていた。3安打しても誰も驚かなくなってきた。

「2番・投手」で投打同時出場した同カードでは、投げては7回10奪三振1失点、打席では2本塁打含む3打数3安打2四球。全5打席出塁を果たした。本拠地はMVPコールに包まれ、実況席からは「MVPが6月に確固たるものになるなんて」と驚く声も上がっていた。

 あまりの活躍に報道陣が“あえて”質問しないことも。そうでないと毎日、大谷の話題になってしまうからだ。反対に少し打てないときの方が質問が飛ぶこともある。その都度、ネビン監督は「彼も人間だ」と答えるのが恒例になっている。

 MVPに輝いた2021年の9勝、46本塁打を大きく上回るペース。タイトルの可能性どころか、トリプルスリー達成や3冠王も射程圏内にいる。大谷の異次元の活躍に、ファンも記者も感覚が麻痺してしまうのは、仕方がないことだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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