巨人時代から給料激減、自炊必須で環境一変も…陽岱鋼が米独立Lで楽しそうなワケ

米独立リーグ「ハイポイント・ロッカーズ」でプレーする陽岱鋼【写真:川村虎大】
米独立リーグ「ハイポイント・ロッカーズ」でプレーする陽岱鋼【写真:川村虎大】

北米独立リーグでプレーする陽岱鋼の今「肩も強くなっている」

 米ノースカロライナ州のローリー・ダーラム国際空港から車を約2時間ほど走らせると、住宅街の中に球場が見えてくる。元巨人の陽岱鋼外野手は現在、北米の独立「アトランティック・リーグ」のハイポイント・ロッカーズに所属し、MLBを目指す若手選手らと汗を流している。金髪にサングラスで現れた姿は36歳とは思えないほど若々しかった。

「年々、体は強くなっていますね」。鍛えぬいた体は心なしかNPB時代より大きくなったように思える。「肩も強くなっているし、状態はいいです。年齢は関係ない。20歳位の選手がたくさんいて、自分は年が上の方ですけど、試合になれば全力プレーをするだけです」。

 4月に左脇腹痛で負傷者リスト(IL)に入ったが、それもプラスに捉えている。給料もNPB時代とは比べ物にならないくらい減った。日本のように試合後に開いているお店も少ない。「日本時代は油を控えようとかその程度しか考えていなかったけど、こっち来て自ら栄養についても勉強するようになりました。特に怪我してからはね」。自炊もするようになり、4月は1割台だった打率も.260まで上昇させた。

 陽は2021年オフに巨人を退団したが、アメリカへの憧れは2006年、日本ハムに入団する前からあった。NPBを経ずに渡米することも考えたが、「まずは日本で結果を出して、そこから」とドラフトでのNPB入りを決断した。

一回り以上離れた20代の選手と汗を流す毎日を送っている【写真:川村虎大】
一回り以上離れた20代の選手と汗を流す毎日を送っている【写真:川村虎大】

日本ハム入団前から憧れていた米国での野球「未練があった」

「なかなか自分が思ったような道は進むことはできない。日本に残ってプレーした選択は正解だったと思います。ただ、未練が残っていた。海外で野球をしたい。経験したいと思ってこっちに来ました」。巨人に残る選択肢もあったが、夢を追うなら最後のチャンスだと思った。

 渡米して気付いたこともある。NPBの方が練習量が多いと考えていたが、早朝からトレーニングをする選手たち。「みんなびっくりするほど朝が早いんですよ」。日本では全体練習が長い分、その中で試合の準備を行うが、米国では全体練習に入る時点で「試合に入る準備」を終了させるという。

「アメリカの選手は『何で打撃練習の1球目から思い切り振れるんだ』って疑問に思うけど、そんなことない。皆、ケージとかで練習してから入っている。自分もどうやって準備するか。意識が大事だなって改めて感じるようになりました」

 34歳での米挑戦。メジャーリーグなど、具体的な目標をあげるのではなく、「ここは勝負の世界。最高のレベルで、年に関係なくどこまで登れるかだと思っています」。限界を自ら決めることはしない。陽の挑戦はまだまだ続く。

【実際の映像】日本時代より大きくなった!? 米独立リーグで奮闘する陽岱鋼の近影

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