山本由伸「幅は広がっている」 MLBスカウトも釘付け…指揮官が称えた“修正能力”
西武・高橋との投げ合いにメジャー8球団が熱視線
■オリックス 5ー1 西武(8日・ほっと神戸)
オリックスの山本由伸投手は8日、ほっと神戸で行われた西武戦に先発し9回を5安打1失点、今季最多13奪三振の快投でリーグ単独トップの8勝目をマークした。1人でマウンドを守り抜いた右腕は「ここまでパッとしないことが多かったので」と語り、エースの意地を見せつけた。
西武・高橋との今季3度目の“エース対決”で圧巻の投球を見せた。150キロ後半の直球とカットボール、フォークを軸に西武打線を手玉に取った。6回まで毎回三振を奪うなど6月13日・阪神戦以来となる2桁奪三振。今季最多となる125球の熱投で、神戸のファンを魅了した。
攻めの投球で演じた“奪三振ショー”に「強いボールが多かった。調子は良かったので最初からずっと最後を目指して投げた」と振り返ったが、ここまでの投球内容には「思ったように三振が取れない投球だったり、パッとしないことが多かった。いつも(リリーフに)助けてもらっているので、先発が助けないと」と、満足はしていなかった。
この日の投球は前回登板(6月30日・日本ハム戦)に比べ、カーブの割合を抑えながらの投球だった。カットボール、フォークを多投し「変化球の部分とかは色んな人に相談して改善していた。ストレートも良かったので色々噛み合いました。配球の幅は広がっている」と、中7日で投球スタイルを修正していたことを明かした。
勝負の夏場に差し掛かり、ギアを1段階上げた背番号「18」の姿に、中嶋監督も「今日はいい山本です」と賛辞を送った。今季の西武戦はこの日まで2戦0勝1敗、18被安打5失点。それだけに「西武戦に限ってみれば、ヒット数はすごく打たれたし。そこに関してはよく考えて攻めたと思うし。本当に安定している」と、修正能力の高さに目を細めた。
メジャー志望を公言しているオリックス・山本、西武・高橋の投げ合いにはパドレス、ブルージェイズなどメジャー8球団のスカウトが集結。スカウト陣は今季一番の投球内容でエース対決を制した右腕に、熱い視線を送っていた。
山本の快投でチームは連敗を2で止め、首位・ソフトバンクとのゲーム差は「0」。リーグ単独トップの8勝、防御率1.79、94奪三振はロッテ・佐々木朗に次ぐリーグ2位。昨季は史上初となる2年連続の投手4冠に輝いたスーパーエースは今季、どのような成績を残すのか。進化し続ける右腕から目が離せない。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)