故障は「全くない」…なぜ今井を抹消? “戦略的ローテ”西武指揮官「そういうこと」

5日のオリックス戦に先発した西武・今井達也【写真:矢口亨】
5日のオリックス戦に先発した西武・今井達也【写真:矢口亨】

西武・今井の登録抹消に指揮官「どこかが悪いというのは、全くない」

 シーズン終盤に向けて“駆け引き”の季節となってきた。西武は6日、先発ローテーション軸の一角である今井達也投手の出場選手登録を抹消した。5日に本拠地のベルーナドームで行われたオリックス戦に先発。1-2で惜敗したものの、8回2失点の熱投を演じたばかり。故障発生かと心配されたが、松井稼頭央監督は「特に(コンディションの)どこかが悪いというのは、全くない」と明言した。

 今井は5日のオリックス戦で、1-1の同点で迎えた7回に、若月健矢捕手に勝ち越し適時打を許し、この回を終えた時点で投球数が113に達したことから、降板も十分考えられるところだった。しかし、8回も志願の続投。松井監督は「本人の志願もありましたし、投げる体力はあるので」と全幅の信頼を寄せていただけに、6日の登録抹消は驚きを隠せなかった。

 6日の試合後、松井監督は今井について「特にどこかが悪いというのは、全くない」と明言。さらに「そういうことでございます」といたずらっぽく笑った。今井は7月、登板4試合で3勝0敗、防御率0.62をマークするなど好調。怪我でないとすれば、戦略的な抹消ということになる。

 今井の再登録が可能になるのは、16日にベルーナドームで行われる楽天戦からだ。今井は今季楽天に対し4試合4勝、防御率0.00(計27回1失点、自責0)と圧倒している。リーグ5位から上位進出を狙う松井監督は、3ゲーム差で追う4位(6日現在)の“目の上の敵”である楽天との直接の対決に、相性のいい今井を満を持してぶつけるつもりなのだろうか。

整い始めた先発ローテーションで狙う“逆襲”

 現状のローテーションで見ると、この試合にはサブマリンの與座海人投手が先発する順番だが、4月30日にベルーナドームで行われた楽天戦で2回6失点KOされている。一方、次のカード(18〜20日)で対戦するソフトバンクが相手なら、今月2日の対戦で9回2安打無四死球で完封勝利を挙げたばかりだ。

 西武では、2軍調整中の松本航投手が、3日のイースタンリーグ・ロッテ戦で9回109球1失点完投勝利を挙げ、1軍復帰の準備は整ったように見える。就任1年目の松井監督は、勝負どころでどんな手腕を見せてくれるだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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